コラム「格闘技インサイド」=文・安田拡了

藤波×長州、藤波×ライガーの一触即発

 先日、新日本プロレス1・4東京ドーム大会に参戦することになった藤波辰爾(ドラディション)がレジェンド軍として試合をすることが発表された。
 カードは藤波、長州、蝶野、ライガー、AKIRA組(レジェンド軍)VS邪道、外道、TARU、近藤、ヤッシー組(VBH軍)だ。
 今回も藤波参戦について書こう。なぜなら早くもレジェンド軍内部で藤浪への反発の声が出ているからだ。
 レジェンド軍創設メンバーである獣神サンダーライガー。
 ライガーは藤波のレジェンド軍入りにすぐ反応した。「藤波には対角線上に立ってもらいたかった。俺は藤波にあこがれてこの世界に入った。無我がどうのこうのは関係ない。パートナーを求めて立っていない。その意味じゃドームでふがいない動きをしたら、その場で俺が藤波に襲いかかる。安住の地じゃないんだよ、新日本は。選ばれた人間が上がるリングなんだ」と。
 参戦することになった藤波への風当たりがいかに強いかが分かる。
 一方、藤波もこのマッチメークにがくぜんとしてる。というのは終生のライバルといわれる長州力と組むことになったからだ。
 藤波の気持ちを察すれば「長州とだけは組みたくなかった」のだ。
 藤波と長州。
 藤波とライガー。
 一触即発の関係が東京ドームに何をもたらすのかは容易に想像できる。
 軍団抗争である。いま新日本は本体、レジェンド、GBH、RISEという軍団があってしのぎを削っている。
 ここで参戦した藤波が長州、ライガーと衝突すれば、当日参戦しているドラディション選手(吉江、竹村)も黙っているわけがない。
 しかし、これで新日本は正常に戻るような気がする。
 ユークスが親会社になってから新日本は若手優遇政策を摂ってきた。その分、キャリアはなおざりにされてきた。その結果、新しい若いファンは増えたが全体的に観客動員が減少した。
 軍団抗争は若手、キャリアをごちゃま混ぜにした闘いの構図である。かつて維新軍と本体との抗争があった。歴史は繰り返している(スポーツライター)
(2007年12月27日更新)




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