【モスクワ=副島英樹】インタファクス通信などによると、グルジアからの独立をロシアが承認したアブハジア自治共和国とグルジアとの境界付近で24日、鉄道橋が爆破された。欧州連合(EU)の停戦監視団が展開する緩衝地帯にあり、アブハジア側はグルジア特務機関の破壊活動だと主張。反対にグルジア側は、ロシアが仕掛けたと反発している。
橋はアブハジアのガリ地区とグルジアのズグジジ地区をつなぐ。グルジア内務省は同日、ガリ地区をグルジアから引き離すためのロシア側の工作だとする声明を出した。
アブハジアの「独立」が既成事実化する中、境界付近では緊張が高まっている。ガリでは23日、アブハジア国防省の高官が殺害され、バガプシ大統領が緊急会議を開催し、境界付近の警備強化を命じていた。同大統領やロシア側は「EU監視団がグルジアの破壊活動を阻止できず、その意思もないことを示している」と批判していた。