7月末に廃業した日雇い派遣大手のグッドウィル(東京都港区)で、支店長などとして働いていた19人が24日、未払いの残業代約6721万円の支払いを求める労働審判を東京地裁に申し立てた。19人は、仕事上の裁量が十分与えられていないのに残業代が支払われない「名ばかり管理職」だったとしている。
訴えたのは、グッドウィルで働いていた25〜49歳の男性。最も多い人で635万円の残業代が未払いになっているという。このうちの4人は、同社の廃業時に、グループ内企業への転籍など解雇の回避に向けた十分な手続きが取られなかったとして、労働契約上の地位確認を求める申し立てもした。
この日、会見した男性(35)は入社から2カ月で支店長になった。終電の時刻を過ぎても翌日の派遣スタッフが見つからず、月に10日前後も会社などで寝泊まりすることがあったという。「上司から強く命じられ、派遣スタッフに無理をお願いすることもあった。彼らにも迷惑を掛けた」と話す。
別の元支店長(33)は「激務で体を壊してやめていく支店長も多かった。内勤も使い捨てだった」と訴えた。
申し立てについて、グッドウィルは「確認ができていないので、コメントは控えさせていただきます」としている。