新潟市は、子供の急な疾病やけがの対処方法を紹介した「小児救急ハンドブック」2万部を作製した。各区役所の窓口などで配布している。軽症にもかかわらず、夜間・休日の小児救急外来を受診するケースも多く、市保健管理課は「ハンドブックを活用して症状に合わせた適切な受診を」と求めている。
ハンドブックは32ページのA5判。発熱やけいれん、打撲など12ケースで応急処置のやり方を紹介している。症状ごとに「家」「聴診器」「救急車」の三つのマークに分け緊急の度合いを一目で判断できるようにした。救急病院の連絡先も載せている。
夜間・休日の小児救急医療は、軽症患者を診る初期救急▽入院や手術が必要な患者を扱う2次救急▽命にかかわる傷病者を受け入れる3次救急--に分かれる。同市の場合、初期救急は市急患診療センター(中央区)が中心となって診療し、2次は市内6病院の小児科による交代制で対応。3次は新潟市民病院(同)が受け持つ。
同課によると、07年度の市急患診療センター小児科の夜間・休日の受診者数は2万1601人。うち98%の2万1250人がその日のうちに帰宅しており、受診する必要がなかった例も多いという、また、入院・手術を前提とする2次救急担当の6病院でも、小児科受診患者2161人のうち、1510人がその場の診療だけで終わった。
岸洋志・同課長は、核家族化が進み、子育て経験のある人間が周囲にいないため、対処法が分からずに病院へ連れていくケースもあると指摘。「家庭で対応した方が子供の負担を少なくできる場合もある。ハンドブックを参考に、親が正しい選択をしてほしい」と話している。
ハンドブックは市のホームページ(http://www.city.niigata.jp/)でも閲覧できる。【畠山哲郎】
毎日新聞 2008年10月25日 地方版