朝鮮通信使を世界遺産に
2008年10月25日 11:21
「正直言ってこのポストは希望してなかった。でも、釜山に来てよかった」。先月まで韓国釜山市で国際関係諮問大使を務めた鄭海文さんがしみじみと振り返った。
諮問大使は外交通商省が主要自治体に派遣する外交官。宋旻淳前外交通商相は京畿道で、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の金塾韓国首席代表も済州道で務めている。
鄭さんはギリシャ大使在任中、現地を訪れた当時の外交通商相、潘基文国連事務総長に「やりがいのある仕事だ」と説得された。尊敬する先輩の言葉。「一緒に仕事をしてよかったと周囲に言われるよう一生懸命働こう」と思い直したという。
釜山市の国際関係の施策に助言。釜山-羽田路線実現に外交ルートで働き掛けたりしてきた。朝鮮通信使関連行事について外交通商省に「世界遺産登録を目指す価値がある」と持ち掛けたとも。
「ソウルにいるときに比べて人々と顔を合わせて話す機会が断然多かった。地方の大切さも実感した」。ふと日本の官僚が「東京にいたら日本が見えなくなる。週末は地方に極力出掛ける」と何かに書いていたのを思い出した。「地方をつなぐ懸け橋になりたい」と語り、鄭さんは大使として次の赴任先タイへ向かった。
=2008/10/25付 西日本新聞朝刊=