県立病院は10月から、登録かかりつけ医から送られる患者の紹介状受付時間を1時間延長した。7―9月の試行で、延長時間内の受け付けが1割近くあったほか、翌日の診察希望に素早く対応できるようになったため、本格運用を始めた。
この制度は、地域のかかりつけ医が、より高度な診察や検査が必要と判断した場合、県立病院の地域医療連携推進室に紹介状をファクスする。同室では診察希望時間などを調整の上、患者の診療予約を行い、紹介状の到着から約15分でかかりつけ医に診療時間を伝えている。これまでの受付時間は午前8時半―午後5時で、同5時以降は翌日に予約処理を行っていた。
サラリーマンなどは夕方の来院者が多く、翌日の処理ではあらためて患者に予約日時を連絡する必要があるため、かかりつけ医から時間延長を希望する声が上がっていた。7―9月に受付時間を試験的に午後6時まで延長したところ、3カ月で1935件あった紹介状のうち、147件が午後5―6時の間に送られた。
時間外に紹介状が届いた場合は、患者が翌日の診察を希望していても予約対応ができず、一般外来患者と同様に待ってもらう必要がある。こうした翌日診察の予約対応ができないケースは1カ月に40件前後あったが、受付時間を延長したことで、9月は9件にまで減った。
かかりつけ医のアンケートでも、メリットが多いとして延長継続を望む声が7割あった。同室では「わずか1時間の延長だが、ニーズの多いことが分かった。さらに細かい連携ができるよう改善を進めたい」と話している。