「ホテルは安い所だと思っている」。麻生首相は22日、記者団に対し、連夜のように高級料理店やバーに繰り出していることへの批判に反論した。「高級料亭に毎晩(通っている)みたいな話で作り替えているけど、それは違う」と述べ、料亭に比べて安価だと強調した。
首相が就任から21日まで、夜に通った延べ32店のうち、7割を超える23店はホテル内の飲食店やバーだった。首相は「たくさんの人と会う時に、ホテルのバーは安全で安い所だという意識が僕にはある」と説明。公式発表では、同席者は首相秘書官や官房副長官など1〜2人程度が多いが、実は「隠れみの」で複数の人と密会しているともとれる発言だ。
そのうえで「安い所に行ったとする。周りに30人からの新聞記者や警察官もいる。『営業妨害』って言われたら、何と答える?」と記者団に逆質問。「ホテルは文句言われない」と指摘し、「これまでのスタイルだったし、これからも変えるつもりは今のところない。お金も自分で払っている」と強弁した。
ただ、ホテルのバーの飲み物代は1杯千円以上かかる場合が多く、チャージ料も考えると決して安価とは言えない。22日夜、記者団に再び問われた首相は、こう切り返した。「ホテルのバーって、そんなに高い所じゃないっていうのは、ご存じじゃないんでしょうか」
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社民党の福島党首は22日の記者会見で、麻生首相の夜の会合について「超一流ホテルの超一流バーで懇談会をほとんど毎晩しているのに正直びっくりした。お金と体がよくもつな、というのが率直な感想。やはり庶民感覚からはものすごくかけ離れている」と批判した。
首相がタクシー運転手に経済状況などを聞いた19日の視察にもふれて、「自分のお金で毎晩豪遊できる一方で、『給料下がりましたか』と視察するギャップがすごく大きい」と語った。