発声練習

2008-10-22

[][] 「質問があるなら、何でも質問して」問題

とても重要な話だと思うのだけど、時間がないのでメモだけ。

卒業研究・修士研究時の悪循環を防ごうで書いた以下の部分にいろいろとご意見をいただいた。

  • 私にいつでも質問して良いことを繰り返し伝えている
    • 「どんな内容でも、私に質問してかまいません。『たとえばUNIXでファイル移動はどうやるんですか』でもかまいません。質問にすらなっていなくてもかまいません。」「もし、私が答えられないならば、『ごめん、わからない』と言うし、あなたが調べるべき内容ならば『自分で***を使って調べてみて』といいます。」
    • 「いつでも、私に質問してかまいません。もし、私が忙しくて質問に答えられない場合は『ごめん、今、忙しいから後で答える』と伝えるので、あなたが質問するタイミングを考える必要はまったくありません。」
    • 「私の発言を裏読みする必要はありません。私が忙しいといっているときは本当に忙しいだけで、あなたが嫌いなわけではありません。答えられない質問や答えたくない質問はそれぞれ『ごめん、答えられない』、『ごめん、答えたくないので自分で調べて』と直接言います」
  • 一日で最初に会ったときに「どう、研究で何か困ったことある?」と尋ねる
  • 自分が帰るときに「質問ある人いる?」と尋ねる

上だと常体でかつ断定的に書いているので固いかもしれないけど、学生に伝えている内容は上記の内容。こういうようになった理由はこういう感じ。

millennia 2008/02/08 10:16

疑問を持たないように訓練されているというのもあると思いますが、自分の意見に自信がないというのも大きいと思います。私もこれは言っていいのかと悩んだ挙句、結局言えなかったことがよくあります。後でここまで言ってよかったのかと後悔します。

友達間でも、空気読めということで他と違うことを言えばバカにされたり、自分の意見を表明することを良しとしない日本の風潮があります。結果、自分の意見=恥ずかしいものと思い、考えることすらしなくなってしまうこともあると思います。

このような場合、「いろいろ考えて」はいるものの初めから自分の中でダメなものとして消去してしまうのではないでしょうか?

長年そのような環境下で生きてきたら、何にでも疑問を持ち、その自分の疑問や意見に自信を持つように変わるのはなかなか大変だと思います。が、それでもなんとか自分の意見に自信を持たせてあげて欲しいと思います。

こういうブログエントリーを学生さんに見せるのも効果的かなと思ったり。。

next49 2008/02/09 22:33

> millennia さん

確かに。質問したいのに状況や雰囲気によって質問できないということはありますよね。わかります。ただ、「質問しても良いよ」と伝えているのに質問しない子がいて困っています。学生に聞いたところ、「漠然とわからないのだけど、何を質問して良いのかわからない。」「本当に質問しはじめたら、20分に1回くらい質問することになってしまい迷惑がかかってしまいそうで質問できない」という答えをもらいました。

自己規制しないで、とりあえず思いつくまま質問してもらえればよいのですが、millennia さんが書かれているような環境で育ってきたのでその心理的障壁を越えるのが難しいようです。

私も日本人ですから、「空気よめ、察しろ」という文化で育っており、自分の疑問を率直に相手に伝えるということが難しいのはわかります。ですが、先生が「質問して良いよ」といったときぐらいは、信頼して質問してきて欲しいのです。質問というのは技術の一種で、繰り返し繰り返し質問を繰り返すことで良い質問ができるようになると信じていますので。

なので、「質問あるなら何でも質問していいよ、重要かどうか、私にとって迷惑かどうかそちらで考える必要はないよ」というのは、結構一生懸命考えた末に見出した「『質問があれば何でも質問していいよ』って言われても質問なんかできないよ」への対応だったりする。

トラックバックなどでいただいたご意見。

私にいつでも質問して良いことを繰り返し伝えている

http://d.hatena.ne.jp/next49/20081019/p2

に代表される対処法を実践している教員こそが悪循環を作っている気がする。「なんでも質問してくれ」という言葉は最大の圧力である。

どの大学にも「分からないことがあったらなんでもいいので質問をしてください」と無茶なことを言う先生や先輩は存在する。そう、これは無茶である。昔から言われていることではあるが、質問ができるのはある程度分かっているときだけであって、まるで分からないときには無理なのである。

考えてみれば簡単なことなのだ。「何か質問はありますか?」ではなく、本当に切羽詰まっている学生や後輩がほしいのは、「助けようか?」なんじゃないかと思う。もしかしたらそれは相手にとって屈辱的な言葉かもしれないけれど、困りきった人を困らせているのは「言語化できない何か」であり「解決できない何か」なのである。質問などできるはずがない。そして、困っている人からすれば、究極の質問は「とにかく助けてくれ」という嘆願になるのだろうと思う。

こういう

         / ̄\

        |     |

         \_/

          |

       /  ̄  ̄ \

     /  \ /  \

    /   ⌒   ⌒   \      

    |    (__人__)     |      いつでも質問していい権利をやる!

    \    ` ⌒´    /   ☆

    /ヽ、--ー、__,-‐´ \─/

   / >   ヽ▼●▼<\  ||ー、.

  / ヽ、   \ i |。| |/  ヽ (ニ、`ヽ.

 .l   ヽ     l |。| | r-、y `ニ  ノ \

 l     |    |ー─ |  ̄ l   `~ヽ_ノ

って感じじゃなくて、

程度の低い質問をしにきても呆れないよ!失望しないよ!ていうことを伝えてくれたほうが質問しにいきやすい。

プライド高いなら尚更こういうの気にして質問しにいけないと思うんだよね。

ということで、「質問があったらいつでもしてください」と言わずに質問を受け付けるための4つのステップ。

  1. 今なにをしているの?と聞く
  2. したことの説明を受ける
  3. 受けた説明について、そう考えた理由や今後についての見解を聞く
  4. 最後に、何か困っていることは?と聞く

以上。

詳細の説明は省くけど、それぞれに4つ目の質問が出てきやすいようなトリックが入っているのでバカ正直にこの順で毎日会話をすればいい。

ここに書かれていないことで前提の条件になりそうなこと(心構えとか)もいくつかあるけど、それは以前紹介した「この「聞く技術」で道は開ける」とか「3分間コーチ」とか読むとよいと思う。

ちなみに、「質問があったらいつでもしてください」は「質問がなければ声をかけるな」というメッセージも伝わってしまうので、ぼくは意識的に避けるようにしてます。

  • 2008年10月22日 gabari「これぐらいの問題は自分ひとりで解決しないといけない」<中々抜けられなかったし、抜け切れていない自分。意識してるんだけど/多分「質問していい」ってことは言われて初めて分かった気がする
  • 2008年10月21日 ezil ニコニコ動画、というかそのコミュニティのおかげでまだ軽いうつで済んでるわし。\そもそもまったく手につかないとか一時はなってたけど。\質問できない人はどうすれば…
  • 2008年10月21日 SeiSaguru なぜわかった! って思ったけど、私だけじゃなかったんだなあ。質問しろ、っていってもないじゃん、って思ってた。答えがこの辺にありそうなのが見当つくんだよな。でも質問は答えを得るだけの手段じゃなかったのか
  • 2008年10月20日 bookbridge あと先生が「人格を否定しているのではなく、技術的な問題点や問題に対するアプローチに対して注意しているんだよ」っていう態度を取ってあげることが大事かと。僕はその点自分の指導教官にすごく感謝している。
  • 2008年10月20日 yellowlabel この間質問したら説教された挙句「辞めちまえ」と言われた。そりゃー確かに馬鹿な質問したけどそれはないだろと思った。これからはハナから説教喰らうつもりで質問してやりますよ。
  • 2008年10月20日 uunfo まさに悪循環。質問したときに説教するのだけはやめて欲しいよね。あと先生との宴会なんていりません。30分経ったところで「家族が待ってるから」と言って帰っていただけると大変助かります。
  • 2008年10月20日 mittyu 教員のほうから積極的にコミュニケーションを取りに行ったり、質問の敷居を下げたりするのマジ大切。おせっかい過ぎるくらいでいいと思う。ホントに大切。
  • 2008年10月20日 sinngetu 質問してもいいよと言われても、それなりに研究が進んでないと質問することすら浮かばなかったりする
  • 2008年10月20日 beiz23 あー。質問してもいいんだ。質問しよう。しよう。
  • 2008年10月20日 rjj ふむふむ。質問しない人に質問してもらうのは難しいなぁ。

以前にも質問の仕方、受け方についてエントリーにしたことがある。

私の方から質問することについての私なりの考えはこちらのエントリーに書いた。

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