2億円の宝くじが当たった岩手県一関市千厩(せんまや)町の無職、吉田寿子さん(当時42歳)の遺体が見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された東京都台東区松が谷4、新聞販売店元従業員、熊谷甚一容疑者(51)が、複数の口座を駆使して預金を移動し、現金の出し入れを繰り返していたことが県警大船渡署合同捜査本部の調べで分かった。また「(吉田さんとの)交際や金の使い道でもめていた」と、殺害動機につながる供述をしていることも判明した。
捜査関係者によると、熊谷容疑者は個人の普通口座に加え、以前、同県陸前高田市で経営していた電子部品会社(06年2月倒産)の中小企業融資を受けるための預金口座など、複数の口座を開設していて、融資金や預金の出し入れを繰り返していた。融資金は私的な利用に回したものもあったとみられる。
こうした金の動きについて、捜査本部は熊谷容疑者が金の出所を隠すためにマネーロンダリング(資金洗浄)をしていた可能性もあるとみている。【狩野智彦、岸本桂司】
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