二十四日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)が二〇〇三年四月に付けたバブル経済崩壊後の最安値の水準まで暴落した。二十三日のソニーによる業績下方修正を目の当たりにし、〇三年当時、決算直後に多くのハイテク企業が売り込まれた「ソニーショック」の再現が意識された格好だ。
しかし、日本だけが不良債権処理に苦しんだ当時とは状況が大きく異なる。世界の金融が大混乱し、同時不況になろうとしている現状は、危機の度合いや広がりがはるかに深刻といえる。
三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長は「日本の土地バブル崩壊に比べると、今回の世界的な証券化商品バブルの崩壊は、想像以上にスピードが速い」と分析。急激な円高と海外需要減が直撃し、日本経済を支える輸出関連企業の業績が「予想を上回る勢いで悪化する」(大手証券)との見方が強い。
新光総合研究所によると、東京証券取引所一部上場企業の三月期決算企業で、今月一日から二十三日までに業績を下方修正した企業は百十社あり、前年同期と比べ三倍近くになった。稲垣智博クオンツアナリストは「円高が懸念材料となっている」と指摘する。
新興国の経済は株安と通貨安で大混乱に陥っている。危機の震源地である米欧で最大の消費イベントであるクリスマス商戦も不振が予想され、日本の輸出企業が顧客とする海外の販売市場は総崩れとなりそうだ。
原油価格の下落や円高は、内需に一定の刺激となるものの多くは期待できない。日本経済は深刻な景気後退に陥る恐れが強まっており、株価の底値は見えなくなっている。
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