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中国、麻生首相を特別扱いの思惑 日本での対中不信の払拭ねらう (1/2ページ)

2008.10.24 20:46
このニュースのトピックス金融危機

 【北京=矢板明夫】アジア欧州会議(ASEM)首脳会合のホスト国を務める中国では、胡錦濤国家主席らが多忙を極める中、麻生太郎首相を特別扱いしているようだ。フランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相ら45の国と国際機関の首脳や代表が北京を訪れているが、胡錦濤主席は24日の昼飯を日中だけで一緒に取った。さらに麻生首相には胡主席、温家宝首相とそれぞれ会談の時間も設けられた。麻生首相が中国から重要視される背景には、食品の安全問題など最近、日本国内で広がる中国への不信感情を払拭(ふつしよく)したいとの思惑がありそうだ。

 中国メディアは麻生首相を議員時代から“タカ派”と位置づけている。麻生首相の歴史認識や「自由と繁栄の弧」などの外交主張に対し、かなり不信感を抱いており、福田康夫前首相の対中融和路線を継承するかどうかについて不安も持っていたようだ。政府系シンクタンク・中国社会科学院日本研究所の金煕徳副所長は中央テレビ(CCTV)の番組で、「これまでの政治立場からみて、麻生氏には中日関係を推進する情熱が足りない。何をするのか分からないという不確定要素がある」と語っている。

 政権発足から1カ月がたち、金融危機などの対応に追われた麻生政権の具体的な対中政策がまだ見えない中、中国当局は今回の訪中を利用して、麻生首相と信頼関係をつくり、首相周辺の保守勢力を牽制(けんせい)したい思惑があるようだ。 

 中国筋によると、胡政権の最近の日本重視姿勢には経済面での狙いもあるという。金融危機で米国と欧州の景気が後退、通貨も下落し、中国の輸出は縮小傾向にあり、外需に頼る中国にとって大打撃だ。その中、最近の円高で中国製品は日本で割安感が出ており、日本の市場は中国にとってますます重要となっている。

 しかし、今年初めの中国製ギョウザ中毒事件など、一連の食品問題で日本国内の対中不信感は高まっており、対日輸出も伸び悩んでいる。

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