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【徹底検証】たらい回しで妊婦死亡 “最後の砦”に問題点山積 (2/4ページ)

2008.10.24 22:55
受け入れ可能な病院を○×で示す「東京都周産期医療情報システム」の診断能力情報照会画面(東京都提供) 受け入れ可能な病院を○×で示す「東京都周産期医療情報システム」の診断能力情報照会画面(東京都提供) 

 ●満杯の施設

 受け入れを断った8病院のうち墨東病院と日本赤十字社医療センター、日大板橋病院の3病院は「総合周産期母子医療センター」の指定を受けていた。指定病院は、国から補助金が出る代わりに、切迫流産などリスクの高い出産に対応できる設備を備えなくてはならない。他の5つの病院も、名の通った大規模病院だ。

 しかし、日赤医療センターは「母胎児集中治療室が満床だった」。慶応大も「産科の個室が埋まっていた」。東京慈恵会医科大付属病院では「前日に体重約600グラムの超未熟児の双子の出産があり、空き施設がなかった」と説明している。

 なぜ、どこもかしこも施設が埋まっているのか。お産問題に詳しい聖路加看護大学の堀内成子教授は「都会の病院が、地方で対応できない難しいお産なども受け入れている現実がある」と解説する。

 都心の病院を頼るのは、ハイリスク出産の可能性がある妊婦だけではない。産科医不足が原因で、首都圏でも埼玉、千葉、神奈川など産科の休止は後を絶たない。首都圏の「お産難民」が、都心の高度な施設を持った病院へと、なだれ込んでいる現実もある。

 全国周産期医療連絡協議会の北里大学、海野信也教授(産婦人科学)は「北里大もセンターの指定を受けているが妊婦の7割は受け入れを断っているのが現状」と苦境を明かす。

 今回の問題では、センターの指定制度の不備も明るみになっている。墨東病院は、休日の当直医が1人しかいないなど、センターとしての機能は低下していた。国や都道府県がセンターの指定をしたあと、その機能の点検などのフォローには力を割いてこなかったことが、機能低下を招いた可能性もある。

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受け入れ可能な病院を○×で示す「東京都周産期医療情報システム」の診断能力情報照会画面(東京都提供) 
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