妊婦たらい回し死亡問題 石原都知事「国への報告責任はない」と舛添厚労相に反論
脳内出血を起こした出産間近の女性が8つの医療機関から受け入れを断られ死亡した問題で、舛添要一厚労相が「とても東京には任せられない」と述べたことに対し、石原 慎太郎都知事が「国への報告責任はない」と反論した。
舛添厚労相は24日午前、「とてもじゃないけど、都には任せられない。そういう思いで、怒りを込めてね」と述べた。
これに対し、石原都知事は午後、「東京都に任せてられないじゃない! 国に任せてられないんだよ」と反論した。
舛添厚労相と石原都知事のバトルのきっかけとなったのは、10月4日、36歳の妊婦が都内8つの病院から受け入れを拒否され、死亡した問題だった。
妻を亡くした男性(36)は「死にそうな人間がいるのに、そこから1時間待つっていう、そのシステム...、なのかわからないですけど」、「彼女が残してくれた子どもがいるので、2人で頑張っていくしかないという気持ちだけですよ」と妻を亡くした無念を語っていた。
これに対し、舛添厚労相は「2週間もこういう事故について、厚生労働省に上がってこないっていうのは何なんだっていう。わたし、知らなかったんだよ。報道で初めて知ったって...」と都から報告がなかったことに、怒りをあらわにした。
一方の石原都知事は「これは医療事故ではないんですよ、それだったら、国に対する報告の責任もありますけどね」と話し、国への報告責任はないと主張した。
さらに、石原都知事は「赤ん坊を産む産科とね、産んだ子どもを育てる小児科がね、絶対的に医師が足りないってことだね。これはやっぱり、国の責任じゃないですか。舛添君しっかりしてもらいたいよ、本当に」と産科や小児科の医師不足を解消できないのは国の責任と切り捨てた。
舛添厚労相は午前、「そりゃあね、文句言うときだけは厚生労働省しっかりしろと言うけど、こんな事故の情報もわたしのところに上げないで言われてもしょうがありませんよ」と話したあと、都立墨東病院を視察した。
さらに、舛添厚労相は「わたしが行けって言ったら、都が対応できないと言うから、職員なんかいらないから、わたし自ら行くからと」、「別に都の役人なんて1人も来ないでいい。わたしが見ることに意義がある」と視察の裏話を明かした。
舛添厚労相は視察終了後、「やっぱり一番構造的な問題は、ここで見ても医者不足ですよね」と述べた。
石原都知事は「病院に行って事態聞いたあとで、話ずいぶんトーンダウンしたじゃないですか」、「年金の問題でもいつも大見え切るけど、いつも空振りしてさ」と話した。
(10/24 18:57)