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「安重根は東北アジアの平和都市を夢見ていた」(下)

安重根義挙99周年

◆「共用通貨を使用する平和都市を」

 「安重根はすでに100年前に21世紀に可能となった東北アジア平和体制を構想した思想家であり、その具体的な方策について悩んでいた実践家だった」

 この会議で「安重根の国際情勢に対する認識と東洋平和論」を発表した韓国産業技術大学のソ・ヨンヒ教授は、「安重根は文明開化を通じて実力を磨くのが韓国独立の前提条件であると考えていた文明開化論者であり、日本の保護政治は韓国の文明開化ではなく、国権簒奪(さんだつ)に過ぎないという点を悟った瞬間、直ちに武装闘争の先頭に立った実践家だった」と評価した。

 東洋平和に向けた安重根の具体的な構想は、現在の観点からみても非常に目新しいものだ。まず日本が旅順を清に返還した上で、韓中日3カ国が共同で管理する軍港とし、各国が代表を派遣して平和会議を組織すべきと主張した。具体的には3カ国の若者で構成された軍団を編成し、彼らに2カ国以上の言語を学ばせ、銀行を設立して共用通貨を定めようという主張だった。21世紀の欧州連合(EU)を連想させるような概念が、すでに安重根の思想の中に存在していたことになる。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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