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「安重根は東北アジアの平和都市を夢見ていた」(中)

安重根義挙99周年

◆「日本帝国主義による侵略を阻止するためのハルビンでの勝利」

 安重根ハルビン学会と東北アジア歴史財団が主催した国際学術会議「東北アジアの平和と安重根義挙の再照明」では、「安重根の義挙は韓国人による単なる抗日運動に止まらず、北東アジアの平和定着に向けた大宣言だった」という趣旨で安重根の思想に再び注目した。

 ソウル大学の李泰鎮(イ・テジン)教授は「安重根によるハルビンでの勝利と平和主義」と題する基調講演を通じ、安重根が獄中で執筆していたが未完成のまま終わった『東洋平和論』に注目した。ここで安重根は、伊藤博文に代表される日本のいわゆる『東洋平和論』に対し、事実上日本が掲げた侵略の口実に過ぎないと主張した。それによると、東洋はロシアの脅威にさらされており、それに対抗するには「日本が韓国を保護国とするのではなく、韓国や中国との協調・協力を通じて行うべき」という内容だった。

 ここで明らかになった安重根の国際情勢に対する認識は非常に巨視的だった。安重根は世界が西欧の列強とこれを模倣した日本により弱肉強食の世界となっていることに強い憤りを感じていた。これを克服するには、「道徳主義の伝統を持つ東洋諸国が自ら体制を立て直す必要がある」と主張した。そのため、これまで侵略政策を推し進めてきた伊藤は必ず処断する必要があったというのだ。李教授は「安重根をテロリストとする認識は、韓国近代史そのものに傷をつける危険な発想だ。ある一人の義挙ではなく、“義兵部隊組織の指揮官”として行動したのだから、“ハルビンでの大勝利”と呼ぶべきだ」との意見を提示した。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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