タライ回し
今日も秋晴れの気持ち良い一日となり、外で動いていてもさらっとした空気のため左程汗をかくこともなく、華の散歩も日中に色々な場所を歩き回ることが出来ました。買い物や食事も日中の気持ち良い時間帯に行い、夜はゆっくりしています。
ネットのニュースをチェックしていても余り注目されるものも無いなぁ~と思いきや、かつての職場の兄弟会社で今年初めに世間を騒がせた経営陣が裁判で犯罪を認めたとの記事が目に入って来ました。悪い事をしたのだから罪を償うのは当然のことですが、元凶とされていたトップが未だ断罪されていないことが不思議でありこれからの動向を注目しています。
そんな身近なニュースにブルーになっていると、TVでは病院のタライ回しに逢い患者の妊婦が亡くなってしまった事件がトップで放送されていました。今に始まった話ではありませんが、病院側の対応は余りにも酷いものですね。受け入れ拒否した病院は、いずれも名立たる大病院なのに対応できないなんて、日本の医療水準が如何に貧困であるかを伺わせる事件ですね。
代議士やタレントなら最優先で看てもらえるとも聞きますし、要はお金なんでしょうか。そして、少しでも煩わしいと思われる病気の時には、色々言い訳して逃げ回っているように感じます。
医は仁術なんていうのは、最早死語なのでしょうね。高い給料取っているのだから、多少の辛さは我慢して下さいな。
ということで、今日の一首は。赤ひげは何処に居るのか今の世に、患者よりもお金が大事。(これも市場経済という名の拝金主義が蔓延しているからでしょうかね)
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コメント
●なんで急患の受け入れを断るの?
・(人員・設備が足りない…などの)物理的問題で、(受け入れると犯罪になってしまうケースがある…などの)法的問題で「受け入れ不能」だからなんです。
●なんで「専門外だから」が断る理由になるの?
・「専門外の患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(奈良心タンポナーデ事件)があるんです。
●ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいんじゃないの?
・「設備不十分な状態で患者を受け入れるのは犯罪」という司法の判例(加古川心筋梗塞事件)があるんです。
・そもそも、「ベッド」「ベッド」って言われてますけど、病院でいうところの「ベッド」は、心電図とか、酸素マスクとか、呼び出し用ボタンとか、それを管理する人員とか、それら全て「込み」ですからね。もはや「ベッド」というより「設備」と言ったほうが適当かも。
●応急処置してから、他の病院に移すのは駄目なの?
・「応急処置の後、他病院に転送するのは犯罪」という司法の判例(上に同じく、加古川心筋梗塞事件)があるんです。
投稿: 都筑てんが | 2008年10月23日 (木) 21時10分
●なんで、一度断った病院が、後になって受け入れるなんて事があるの?
・救命中であった患者が「落ち着く」か「亡くなる」かのどちらかで、病院側に「空き」が出来たからです。
●有名人や金持ちだったら嬉々として受け入れるんじゃないの?
・西村真悟議員の息子の飛び降り自殺…アレも、重度のうつ状態で入院の必要があるとされながらも、「ベッドが無い」という理由で入院できませんでしたよね。もはや、コネやカネではどうにも出来ない程に、患者の受け入れが困難な状況なんです。
●ぶっちゃけ、人の命より金儲けのほうが大事なんでしょ?
・金儲けのほうが大事だったら、そもそも、不採算部門である救急なんて、最初からやりません。
●医師が足りないなら、海外から医師を呼んだらいいんじゃない?
・本国より遥かに待遇の悪い日本に来る理由が見当たりません。…というのも、実は、日本の医師の待遇は、諸外国のソレよりも遥かに悪いんです。
投稿: 都筑てんが | 2008年10月23日 (木) 21時11分
●ドクターヘリを導入したら?空からなら直通でしょ?
・ヘリを導入するにも、周囲の建物が邪魔で安全に飛べなかったり(ビルに激突、民家に墜落…の危険性あり)、ヘリポートのある(作れる)病院が少なかったり、騒音問題で導入を反対する住民がいたり…など、色々と問題が山積みなんです…。
・あと、ドクターヘリを必要とするほどの重症患者を扱う「3次救急」自体の数が減っていることも問題の一つとなっています。
●救急病院が急患を受け入れられないなら、救急病院を辞めちゃえば?
・現実に次々と辞め…ていうか、潰れていってるんです…。
・特に、重症患者を扱う「2次救急」、救急最後の砦である「3次救急」が減っていることが深刻な問題となっています。
投稿: 都筑てんが | 2008年10月23日 (木) 21時11分
●1次・2次・3次って何?どれも救急病院じゃないの?
・救急病院は、患者の緊急度の度合いによって「1次救急」「2次救急」「3次救急」と種別されています。
・「1次救急」は、入院や手術の必要が無い患者が対象、「2次救急」は、入院や手術が必要な患者が対象、「3次救急」は、1次・2次では対応できないレベルの重症患者が対象となっています。
・ここ数年、救急医療が不要なレベルの軽症患者が、夜間救急…特に「2次救急」「3次救急」に駆け込み、夜間救急がパンク状態になっている事が、深刻な問題となっています。
●2~30件も断わられる事なんてあるの?
・大多数の救急が、マンパワー不足・キャパシティ不足のために、常にパンク寸前(or 本当にパンク)の状態に陥っており、2~30件、いや、それ以上断られる可能性は、大いにありえます。
・また、過重労働で医師が倒れる、燃え尽きて退職…などで、救急を辞める病院も出ており、今後は「受け入れ不能」状態が加速、最悪、「たらい回せる病院」すら無くなり立ち往生…という事態もあり得ます。
投稿: 都筑てんが | 2008年10月23日 (木) 21時12分
救急医療の現実を扱った動画があります。
NEWS ZERO「救急崩壊」1日目
患者を断らざるを得ない「受け入れ不能」の実態。
http://www.youtube.com/watch?v=Bua7R0bQioo
NEWS ZERO「救急崩壊」2日目
経営不振で「2次救急」が次々と撤退、「2次救急」レベルの患者が「3次救急」へ…。
http://www.youtube.com/watch?v=sQ7ufv7bfzM
NEWS ZERO「救急崩壊」3日目(1/2)
夜間救急に多数の患者が押し寄せパンク状態、その多くが、救急医療が不要な「軽症患者」。
http://www.youtube.com/watch?v=akEbC5khXKE
NEWS ZERO「救急崩壊」3日目(2/2)
「私たちの病院を守ろう」と立ち上がった市民。
http://www.youtube.com/watch?v=8VQlgK3UgQQ
上の動画を元に記事を立てました。
よろしかったら読んでみて下さい。
http://punigo.jugem.jp/?eid=453
投稿: 都筑てんが | 2008年10月23日 (木) 21時14分
>日本の医療水準が如何に貧困であるかを伺わせる事件ですね。
日本の医療はWHOの「患者の死ににくさ」ランキング世界2位です。
また新生児死亡率は世界ダントツ1位、出産時の母体死亡率はトップではないもののトップクラスです。
日本の医療水準って、とっても貧困ですね。
投稿: You-me | 2008年10月24日 (金) 10時42分
この手の出来事があると、必ず出てくるのが「医は仁術」という言葉です。おそらく、病院や医師が儲け主義に走って患者の命を蔑ろにしている、という意味で引き合いに出されるのでしょう。
しかし、本当に儲け主義でやっているのなら、救急や産科のような不採算部門は真っ先にリストラされて消滅します。地方では、採算悪化と人員不足で救急指定を返上したくても、救急体制の崩壊を恐れる自治体に懇願されてやむをえず続けている病院も少なくありません。墨東が人員不足でも看板を下ろせなかったのはそういう背景もあると思います。
病院の対応が酷いとのことでしたが、ではどうすればよかったと思われますか? 受け入れを断った病院の大半が「NICUが満員」もしくは「担当医が入院中の産婦に対応中」というものでした。そんな状況で受け入れることは、既にNICUに入っている新生児を一人追い出すか、生まれてくる新生児を外気に曝して放置することを意味します。あるいは、(もともとその病院の患者である)処置中の産婦を放置して、外部から担ぎ込まれた産婦の処置を優先することになります。あなたが入院している側の産婦もしくは家族だったら、そのような措置を受け入れますか?
受け入れ不能と断った医師は、別に鼻をほじって遊んでいたわけではありません。他の母子の命を救うため懸命に働いていたのです。それを「冷血漢」か「怠け者」のように扱うマスコミの姿勢には納得がいきません。
体制の不備は医師個人にはどうしようもありません。自治体や国、ひいてはその原資である税金を払っている私たちの問題です。
投稿: とらら | 2008年10月24日 (金) 15時26分