蒲島郁夫知事は11月3、4の両日、韓国ソウル市を訪れ、県内への観光客誘致を図る観光宣伝活動を展開する。県を訪れる韓国人観光客はここ数年、温泉やゴルフ人気を背景に順調に増加してきたが、ウォン安などの影響で今後の集客は厳しくなることが予想されるため、蒲島知事が直接出向いて熊本の魅力をアピールする。県トップが韓国でプロモーション活動を行うのは5年ぶり。
国交省の宿泊統計調査では、今年1‐6月に県内で宿泊した韓国人客は17万1000人。阿蘇や熊本城などの観光地の人気や旅客船の玄関口・福岡からのアクセスの良さから前年同期から約2割増えた。昨年1年間では東京、大阪、福岡に次いで4位だった順位も、福岡を抜き3位に上がった。
ただ、円高ウォン安が進んだ7月以降は「減少傾向にある」(県観光物産総室)。このため、引き続き韓国人客の誘致を図るため、緊急のトッププロモーション活動を決めた。
訪韓するのは蒲島知事をはじめ、ホテルや観光施設事業者、県内市町村の担当者など約50人。3日夕にソウル市内で韓国の旅行社や航空会社、報道機関などを招いて観光商談会を開く。蒲島知事も商談会や旅行社への訪問などを通して熊本をPRする。
県観光物産総室は「温泉や歴史文化など従来の観光資源に加え、来年春から肥薩線で走行する蒸気機関車や食文化など新たな魅力も発信したい」と話している。
=2008/10/24付 西日本新聞朝刊=