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社会
妊婦受け入れ 指定病院、道内3カ所 医師不足で空白圏域も(10/24 07:14)東京都内で七病院に受け入れを断られた妊婦が死亡した問題で、いったん受け入れ拒否した都立墨東病院と同じく産婦人科医が二十四時間常駐する「総合周産期母子医療センター」指定病院が、道内は札幌、釧路、函館の三カ所にとどまっている。国の指針では道内は六圏域で整備が必要だが、当直要件を満たせず三圏域が空白。産婦人科医不足が主因で、リスクが高い出産の「最後の砦(とりで)」整備のめどは立っていない。 国の指針は、指定病院を「三次医療圏に一カ所整備」としており、道内だと道央、道南など六区域に分けられる。しかし国の要件を満たすのは釧路赤十字、市立札幌、函館中央の三病院のみ。 道は、空白圏域で指定病院に準ずる体制を持つ旭川厚生病院、北見赤十字病院、帯広厚生病院を「認定病院」とし、医師の重点配置などで指定病院昇格を目指すが、壁は指定要件のうち「二十四時間体制での複数勤務(自宅待機一人含む)」。 指定病院がない道北圏の旭川厚生病院の場合、常勤医は六人いるが「医師が一人、二人増えたとしても当直は厳しい」と話す。 周辺市町村を含め、産婦人科医の減少や高齢化で出産を扱う医療機関が減少。同病院の出産件数は二〇〇六年度の五百七十六件が、〇八年度見込みで八百五十件超と急増、医師の負担は限界という。 産婦人科医は〇六年までの十年で全国で11%、道内は18%も減少しており「現体制の維持が精いっぱい」(道医療政策課)だ。 ただ、指定病院になった函館中央病院は「東京と異なり、受け入れ拒否はあり得ない」という。他に搬送できる病院がないため「当直、自宅待機以外の医師を呼び出してでも対応せざるを得ない」という。道も「墨東病院のケースは近くに他の指定病院がある大都会だからこそ起きた面もある」と推測する。 一方、市立札幌病院では、〇七年度に受け入れ要請を五十七回断らざるを得なかった。道央圏人口の多さから新生児集中治療管理室などに空きがなかったためだ。 道央圏には受け入れ可能な他の産婦人科病院があるが、何度も受け入れを断られたケースもある。道も道央圏での指定病院の追加を目指すが、具体像は見えていない。
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