テレビではクイズ番組が花盛り。頭の体操にと、私も結構見ています。特に漢字の読み書き問題や時事問題に関しては、新聞編集に携わる者として、ついつい力が入ってしまいますが、分からないことも多く、不勉強を痛感しています。
そんな中、香川版にも「マコモ」という、聞いたことのない言葉が出てきました。記事は、香川県まんのう町の農家の有志がイネ科の植物「マコモ」の食用部分を地域の特産物にしようと取り組んでいるというもの。
マコモは葉や茎を編んで神社に奉納する筵(むしろ)などに利用されていますが、成長過程で土壌中の菌類が入ると根元から三十センチほどの茎が肥大し、そこを食用にします。食感はキノコに似ており、中華料理に使われるそうで、地元農家でつくる「マコモ栽培研究会」によると「食物繊維やカリウムが豊富で、てんぷら、ソテーなど多彩な料理に合う」とか。今年、栽培に着手し、今月初めから、地元の産直市で販売が始まりました。イネと栽培方法が近いため、転作作物にはぴったり。将来は地域農業の新たな柱にと、同研究会でも意気込んでいます。
香川県は全国一、面積の狭い県ですが、全国シェアトップの金時ニンジンやオリーブをはじめ、レタス、ニンニク、ビワ…と出荷量上位の品目を多く持つ「農業王国」。食糧自給率の向上が叫ばれる中、香川の存在はますます重要になってくるのではないでしょうか。香川の地域・農業振興に向け、マコモ栽培のような元気な取り組みを一つでも多く香川版で紹介できればと思っています。
(高松支社・安原勇)