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【放送芸能】

上地雄輔 俳優業でもモテモテ 今期連ドラで主役級掛け持ち

2008年10月23日 朝刊

 フジテレビの人気番組「クイズ!ヘキサゴン2」で珍回答を連発し、おバカキャラでブレークした上地(かみじ)雄輔(29)が、今秋、俳優業でモテモテだ。日本テレビとフジで、連続ドラマ(10−12月期)の準主役で出演中。同クールの連ドラで、主役級を掛け持ちしたのは、二〇〇四年の篠原涼子など数人。バラエティーで知名度を上げた上地だが、おバカキャラではない、俳優としての魅力とは?

 (高橋知子)

 上地といえば、「クイズ!ヘキサゴン2」から生まれたユニット「羞恥心(しゅうちしん)」のメンバー。小、中、高校と野球一筋、名門・横浜高校では捕手で、一年後輩の現ボストン・レッドソックスの松坂大輔投手とバッテリーを組んでいたことでも有名だ。

 羞恥心で上地を知った人には、バラエティーの印象が強いが、実は昨年六月までバラエティー出演はほとんどなかった。

 本業は俳優。一九九九年、連ドラ「L×I×V×E」(TBS)でデビュー。映画「ピーナッツ」(2006年)、連ドラ「ROOKIES」(TBS、08年)など、野球経験を生かした出演作も多い。

 今月十四日から始まったフジ「セレブと貧乏太郎」(火曜午後9時)でも、元高校球児・佐藤太郎を演じている。年収二百万円以下のいわゆる“ワーキングプア”だが、前向きに生きる子持ち三十歳の役だ。

 「真っすぐさと、逆境にも明るく向かっていくところがイメージに合った」とは、土屋健プロデューサー。「俳優は素の人物の良さが大切。羞恥心での彼もそこが受け入れられている。過去の出演作を見ても役者としてのポテンシャルは高い。今回の役は、彼の素に近いフィールドで良さを発揮することができ、羞恥心とはまた違う良さが見られるはず」と話す。

 一方、十一日開始の日テレ「スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜」(土曜午後9時)では、Hey!Say!JUMPが演じる高校生の担任教師・杉虎之助役。赴任当初は情熱にあふれていたが、他の教師に感化され駄目教師になってしまう。

 櫨山(はぜやま)裕子プロデューサーは、上地と初めて会った三年前、強い印象を受けたという。「マネジャーは?」「今日は来ねえよ」。初対面で、昔からの知り合いのような口をきく上地。だが櫨山さんは、不思議と「なんだこいつ、とは思わなかった」という。以来、上地に興味を持ち続け「ハケンの品格」「貧乏男子ボンビーメン」などにも起用した。

 「前から面白いと思っていた。乱暴な口をきいても嫌みじゃないのは、愛されて育った彼の育ちの良さだと思う。素の良さ、そのまんまでいられる強さがうけている。そこをドラマでも出せたら」と櫨山さん。

     ◇

 重要な役どころが回ってきた今クールを、上地自身はどう思っているのか。「ここが俳優として勝負とか、やってやるとか、そういう気持ちはない。気合が空回りしちゃってもしょうがないし。バラエティーもそうだけど、自分が感じたままを表現するだけ。いつもと変わらない」と、冷静だ。所属事務所でも「バラエティーやブログなどで注目されましたが、ようやく本業で注目されるようになった。もともとは俳優ですから」と、話す。

 睡眠時間は三時間ほどという現状。年内は、タイトなスケジュールが続く。来年はNHK大河ドラマ「天地人」で、関ケ原の戦いのキーマン・小早川秀秋役での出演も決まっている。

 

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