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もっと知って,みんなで知って。

NINA / 2008.10.23 23:59 / 推薦数 : 0
ちょっと久しぶりに自閉症スペクトラムの話。

デイケアに通ってきていただいている患者さんのことで,主治医の先生と定期的に文書でやりとりする以外にも,必要に応じて不定期に連携をとらせていただくこともあります。

最近立て続けに,ふたりの自閉症スペクトラムの患者さんのことでそれぞれの主治医とお話しさせていただきました。

ひとりは,もともとアスペルガー症候群の診断がついている患者さん。
患者さん本人が自宅でリラックスして過ごせるようご家族にお願いしたいことがあって,でもそれをこちらのデイケアスタッフからお伝えするのと主治医の先生から伝えていただくのとどちらがいいのか…そもそも主治医の先生はご家族との連携を望んでいらっしゃるのか,そのあたりをご相談したくて。

もうひとりは,統合失調症の診断がついていたけれど,生育歴や現在の症状から自閉症スペクトラムが強く疑われていた患者さん。
本人とご家族の希望もあっていくつかの検査をしてみたら,やはり自閉症スペクトラムをベースにもっている可能性がきわめて高いような結果だったので,それを主治医にご報告しておきたくて。


先生方おふたりとも,本当に気持ちよくこちらの意図を汲んでくださって,とっても嬉しかったんです。

自閉症スペクトラムをもつ患者さんへの支援って,誰かひとりがすればそれでうまくいく,なんてことは滅多になくて,それぞれの支援者がそれぞれの立場で,自閉症スペクトラムの特性を理解して必要な支援を行っていくことがすごく大事だと私は思っているので,その患者さんに自閉症スペクトラム特性があるというところでまず関係者が合意してそこからチームとしてみんなで支えていく,その根底というか前提となる「診断への合意」の部分がうまくいって本当によかったなぁ,と思ってホッとしたのでした。

自閉症スペクトラムの概念がだいぶん浸透してきたとはいえ,いつも主治医の先生に受け容れていただけるとは限らないので。

端から拒絶反応を示す先生や,「別にこの患者さんの診断は 統合失調症で/うつ病で/強迫性障害で 問題ないんじゃないの?」とおっしゃる先生,自閉症スペクトラムだとしても「そんなの関係ねえ」と言わんばかりの先生…まだまだ精神科医のなかでも自閉症スペクトラムへの対応はまちまちなのが現状。

その診断を念頭に置くこと,その診断を意識して関わっていくことが患者さんにとってどれほど大きなメリットがあるか,そんなところを精神科医の先生方にもっと広く知っていただきたいな,なんて野望もわいてくる今日この頃。

果たして私なんかにそんなことができるのかわからないけれど,ひとつひとつのケースを通して主治医の先生と連携する機会を最大限に活かして,地道に野望を現実のものにしていきたいと思っています。


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