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Joe's Labo
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2007/02/23のBlog
格差社会特集
22:30頃~ 出演予定
2007/02/19のBlog
実は、僕はあまり帰省しない人だ。別に理由があるわけではなく
ただめんどくさいから(笑)
そうはいっても、たまには帰らんと。ということで今年の正月、
3年ぶりに周南市に帰省した。
そこでいくつか気づいた点をメモ。

まず、駅前の廃れっぷりがすごい。特に駅ビルのテナントがガラガラ。
一応、新幹線通ってる駅の建屋が貸し会議室っていうのはどうよ(泣)

しかも、駅前のロータリーに面した一等地に、やたらと目立つのが
サラ金と進学塾の看板。
これはダメな地方都市では共通の現象で、産業が衰退すると、なぜか
金貸しと進学塾が幅を利かせはじめるのだ。
サラ金はともかく、進学塾はなぜ儲かるのか。
「希望格差社会」の山田先生によれば、少子化で子供二人が一人になると
一人にかけられる教育費自体は若干上がるためらしい。
そういえば、僕が高校生の頃は、
「今後子供の数が減るから、塾や予備校は淘汰される」
なんてまことしやかに言われていたが、少なくとも現在のところは逆のようだ。
各家庭は教育費の減少を、子供の数を減らすことで乗り切ろうとしているわけだ。

ただ、県全体がダメかというと、そういうわけでもない。
隣の下松市には、郊外型の大型ショッピングセンターや映画館が進出し、人口も
増えている。職も娯楽もあるのだから当然だろう。
地方の中にもコアとなる都市とそうでない都市の二極化は確実に進んでいる。

この辺の変遷は、ちょっとした日本地方都市の典型だと思われる。
山口東部地帯にはもともと、防府、徳山、下松という似たり寄ったりの市が並んでいた。
このうちもっとも町並みの古い防府(天満宮で有名だ)の没落は80年代には始まっており、
戦災で旧市街が焼け、工業都市としていち早く再生した徳山が、エリア都市化
しつつあった。

ただ、徳山もやっぱり20世紀の街なのだ。70年代、国鉄様万歳の思想で作られて
いるため、経済の柱は駅前商店街。個人商店と駐車場の無いデパートが市民の
憩いの場だ。各家庭に車が普及すると、これは少々不便となる。

そこで90年代以降台頭してきたのが新興都市の下松で、ここは最初から郊外型の
商業施設を積極的に誘致し、周辺都市から顧客を囲い込む形で発展している。
実際、過疎化が進む地域にもかかわらず、コア市である下松への幹線道路整備は
目を見張るものがある。
今後、地方はこういった形で再編、序列化していくのだろう。

もちろん、各市がそれぞれ市内にコア商業地を持つのが理想だろうが、それはちょっと
現実的ではない。無理にお上が推し進めようとすれば、
「うちの町にもレジャーランドを」
とやってしまった80年代の箱物事業となんら変わらないのだから。
そういう意味では、自治体の合併はこういったミニ中核都市を中心としたエリア単位で
行うのが理想だ。

ところが、実際の合併はそう上手くは進まないもので、徳山は新南陽というもっと
辺境な市とタッグを組んでしまった(現周南市)。
まあ下松にしてみれば、わざわざお荷物なんて背負い込みたくはないのだろうが。
負け組同士でつるんでもダメなものはダメだろう・・・

とはいえ、“のぞみ”がとまる駅を擁しているのだから、周南市の今後の挽回に期待し
たい。

※写真は周南市の今後に思い悩むツヨシ君(徳山動物園在住)
[ 12:43 ] [ Work ]
3月号(発売中)『下流化するサラリーマン』特集
山田昌弘氏との対談掲載中。
2007/02/13のBlog
先日、ある高校生から質問を受けた。
「理系は文系より賃金が低いって本当ですか?」

うーん。誰だそんなことを未成年に吹き込んだのは。
実は同様の質問をたまに受けることがあるのだが、結論から言うと
「同じ企業であれば、ぜんぜん違いは無い」というのが実際だ。

まず日本企業における給与体系から整理してみたい。
ほとんどの企業は職能資格給という賃金制度を採用しており、勤続年数に応じて
上がっていくか、序列(ポスト)に応じて上がっていく。
大方の企業では定期昇給はもうないだろうから、事実上、社内ではポストが上がら
なければ昇給も無いといったところだ。
この場合、他部門から管理職に横滑りで割り込むということは、基本的にありえない。
その部門の管理職は、基本的にその部門生え抜きが勤めることになる。

だから、同じ企業内であれば、ポストが多い方が昇給のチャンスは多いということになる。
企業によって大きく違うので一般論だが、個人的な感覚で言うと、大手メーカーであれば
技術部門の方がポストは多いから、どちらかというと理系の方が出世しやすいと思う。
たとえば生産管理だとか購買だとか、マイナーな文系職種なんてポスト全然無いですから。
(実際、エンジニアに限定すれば、こういう結果になるらしい)

と、思っていたら、中央公論2月号にとんでもない論文が載っていたのでフォロー。
「理系負け組白書」というタイトルで、大手新聞の記者さんが書いている論文なのだが、
その根幹をなす文系理系別の生涯賃金グラフの引用に深刻な問題がある。
(原典を見たが、編者の阪大松繁教授自身は、内容がごく一部の上位校限定のもので
あることをちゃんと断っているので、これは完全な引用ミスだ)

このグラフだと、文系は生涯賃金で、確かに理系より5000万円ほど高い結果となっている。
だが、グラフを見てまず気づいたのが、文系50代の平均賃金。なんと1600万超なのだ。
いまどきないですよそんな会社(笑)
というか、“上位国立大OBを調査”としか書いていないが、これ絶対東大クラスの大学
だろう。仮に東大文系なら、調査対象者が卒業した80年代以前なら、間違いなく都銀
が一番人気だ(他は商社や証券か)。
そして、金融再編を迎える前、彼らは日本一の安定した賃金水準を誇っていたのは、
周知の事実だ。つまりこのグラフのタイトルは
「東大(仮)における文系理系OBの格差」あるいは「金融とその他の格差」とすべきなのだ。

もっと言えば、生涯賃金なんて、その時々で大きく変わるものだ。
実際、銀行は規制緩和と不良債権処理でガタガタになり、すくなくともバブル以降の
世代なら、上記の様な賃金水準にははるかに及ばない。実際、同期の銀行マンの
誰に聞いても、メーカー時代の僕の給与の方が良かったほど。
たぶん、彼らは団塊あたりの先輩行員の、5~7割程度の賃金でピークアウトするはずだ。

今、もっとも賃金の高い業種の一つである外資系の戦略コンサルや金融機関は、文理
なんてこだわらない。中には、理系のマスター以上しか採らないところもあるくらいだ。
だから、仮に同じ調査を、バブル以降の世代対象で東大OBに行ったとしたら、まったく
違った結果が出るだろう。

だからとりあえずは、若者は、自分のやりたいことを学んでもらえばいい。

しかし、気になるのは、このグラフを見て、なんの疑問も感じずに“一般論”として
使用しちゃう新聞記者のセンスだ。ひょっとすると、彼らから見れば、50代で1600万
もらうことはありふれた話なのかもしれない。

大手の新聞社は、かつての都銀ばりの賃金体系を、今も維持し続けている。
以前、僕自身、ある記者にこんなことを言われたことがある。
メーカー時代、いくら貰っていたかと聞かれ、30歳で600万強と応えたときの話だ。

「そんなに低いお給料で、生活できるんですか?」

別に嫌味でもなんでもなく、その記者は驚きで目を丸くしていたのが印象的だった。

まあそれはそれでいいのだけど、せめて記事を書くときは、庶民の感覚を持って
いただきたいものだ。
2007/02/08のBlog
[ 14:37 ] [ Work ]