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(5)安全性分析
2、流動比率による分析
 @流動比率とは

会社の安全性を見る場合、その代表選手は「流動比率」です。 

 会社の安全性を見る場合、その代表選手は「流動比率」です。 
 流動資産と流動負債の比率を見るということは、次のような意味があります。
 もしいま、流動比率が1の会社があるとすれば、1年以内に支払わなければならない負債に対し、それと同額の、1年以内に現金化できる資産を持っているということになります。

 つまり、その会社には返済能力があるのです。
 もし流動資産が少なくて流動比率が1を切っている場合、その会社はいまある借金を返すために、また新たな借金をしなければなりません。

 しかし、新しくお金を貸してくれるところが見つからなければ、その時点でその会社は支払不能に陥り、倒産することになってしまいます。
 つまり、流動比率は会社の短期的支払能力を示すものなのです。

 流動比率が1、 つまり100%を切っているととても危険な状態です。
 逆に100%あれば十分かというと、そうでもありません。
 一般的には、200%あることが理想といわれています。
 日本の上場企業平均でみると全業種平均120%超、製造業平均で170%ぐらいです。 
 

 A流動比率は高いほどよいか?とは

 流動比率が安全性を示すものならば、高いほどよいと考えがちですがいかなる時も、というわけではありません。
 たとえば、無借金経営をしている会社が良い例です。

 無借金経営といっても、多くの場合は銀行からの借入が無いという意味で、仕入代金や経費関係などの支払債務は普通の会社と同様に持っています。
 ただ、それにしても負債が少ない事は確かです。

 無借金経営が、良しとされるのは、多くの場合、競争が少ない業種や成熟産業、あるいは独占企業の場合です。
 成長産業では、無借金経営は競合他社との比較で拡大に遅れをとり、競争に負けてしまうリスクを含んでいます。

 無借金経営でいくら流動比率がよくても、会社としては成長力に遅れをとり、将来競争に負けてしまうのではかえって危険であるともいえます。

 逆に流動比率が100%を割ると危険かというと必ずしもそうとはいえません。
 電力、ガス会社などは流動比率が低い事が多いのですが、回収は確実で資金化が早いため、安全性は低くないと考えられています。 

 

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