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(2)経営分析の基礎

2、同業他社比較でわかる強み、弱み

 @井の中の蛙では生き残れないとは

 前項では、年次比較でトレンドを見る説明をしましたが、考えてみれば多くの会社は競争の中で営業をしているわけですからいくら過去に比べて当社が伸びていようと、ライバル会社がそれ以上に伸びているのでは競争に負けてしまいます。
競争相手と比較する時は、1つの指数だけでなく、いろいろな角度から比較検討することが大切です。 
 

 A勝負を分けるものとは?

 いまコンビニエンスストアのA社とB社があるとします。
 両者とも売上高20億円、経常利益1億円です。
 ところがA社の自己資本比率(総資産に占める自己資本の比率)が30%であるのに対してB社は5%であったとします。

 A社とB社の収益構造の違いは、B社の方が借入金に依存する割合が高いということです。
 これまでB社は経費を切りつめて、A社よりも重い借入金支払利息の負担を吸収し、A社と同じ経常利益を確保してきました。

 この場合、支払利息などを考慮する前段階の利益である営業利益率では、B社の方が、経費を切りつめている分だけ勝っていたわけです。そこで二つのシナリオを考えてみましょう。 

 市場金利が上昇した場合、市場金利が低下した場合を考えてみると、両者の売上高経常利益率は当初同じでしたが、B社は金利変動の影響をもろに受けることになります。
 自己資本利益率と売上高営業利益率が異なっていたことがその後の勝敗を分けていくことになっていきます。
 自社の強み、自社の弱みを知ることは次に打つべき手は何かを知ることにつながるのです。 
 

 Bレーダーチャートを利用せよとは

 いくつかの経営分析指数を同時に表すことのできる手法に、「レーダーチャート」があります。
 この図からは、会社の収益性、生産性、安定性、成長性などが一覧できます。 

 C他社データの入手の仕方とは

 ライバル会社が上場企業ならば有価証券報告書を入手するのがベストです。
 これは政府刊行物センターか、政府刊行物取扱書店で購入できますし、最近ではホームページから入手できる企業が一般的です。
 
 特に新しいものは財務省のEDINETで閲覧することもできます。
 たくさんの上場会社のデータを一覧したい場合、日本経済新聞社の「日本経営指標」が推薦できます。

 未上場の有力企業の財務データについては同社の「日本経営指標<未上場会社版>」が有用です。
 これら以外の中小企業の場合は、財団法人中小企業診断協会の「中小企業の経営指標」(中小企業庁編)が参考になります。 
 

 

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