経常利益は、営業利益±営業外損益として計算されますので、経常利益に異常が検出された場合には、営業外収益と営業外費用の中身を検討することになります。
営業外損益の主なものとしたは、利息などの金融損益です。 特に、営業外費用である支払利息は重要で、売上高の数十%という巨額な利息を支払い続けている会社もあります。 ところで、金融コストは会社の財務体質と密接に関連し、資金バランスの良し悪しが非常に重大な影響をもたらします。
ということは、営業外損益を吟味する場合には、貸借対照表をあわせみることがより効果的ということになります。 そして、その両者を使って、会社の財務活動のうまいへたを見破ることさえできるのです。
さらに重要なことは、経常利益までの段階は、翌年もその翌年も似たような損益構造が続くという事を示唆している点です。 したがって、経常利益の段階で不本意な成績となっている会社は、根本的に経営スタイルを改善することを迫られているといっても過言ではないのです。
A税引前当期利益の読み方とは 税引前当期利益とは、経常利益±特別損益として計算されます。 このため、税引前当期利益に異常が検出された場合には、特別損益の内容をよく調べる必要があります。 特別損益は、営業活動と直接関係しない経常性のない(毎期発生する見込みのない)損益です。
一般的には、臨時的な損益と前期以前の損益の修正が含まれています。 先の例では、資金繰りの悪化をリカバリーするために設備の売却を行っているようです。
特別損益を読む場合に、最も心しておかなければならないことは、「今期限り」ということです。 したがって、来期以降の損益予測を行う場合には、経常性のない損益をはずして考えるようにしなければなりません。
|