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(2)貸借対照表・損益計算書の仕組み
6、もう1つの貸借対照表とは(報告式)

 貸借対照表の構造を理解してみると、重要なのは資産、負債(他人資本)、純資産(自己資本)がそれぞれいくらで、その内訳として各勘定科目残高がいくらかということで、これらのことさえ読み取れれば用は足りるということです。
 従って、報告式の貸借対照表でも読み方は同じです。

  @損益計算から来た下宿人とは 
  勘定科目を順に見ていくと、不思議な勘定科目が見つかります。
 「未収収益」「前払費用」「未払費用」「前受収益」などです。

 これらは、資産や負債として積極的に貸借対照表に計上されるものではありません。
 期間損益という会社の利益計算における特殊な事情から暫定的に貸借対照表に計上されたものです。
 たとえば「未収収益」は本来今期に収益として計上しその対価を受け取りたいのですが、契約で請求する時期に至っていないため、権利として資産に一時的に計上しているのです。
 預金の利息などがそれにあたります。

  A正常営業循環基準とは 
 流動と固定の区分は、ワン・イヤー・ルールといって、1年を基準としています。

 ところで、流動資産として記載されている、売掛金や棚卸資産の中には、1年以内の現金化がおぼつかないものが含まれていることがあります。
 これは不良債権や滞留在庫です。
 これは、上のルール違反といえるのではないでしょうか。

 実は、売掛金、棚卸資産、買掛金はワン・イヤー・ルールの例外として、よほどのことがない限り、流動資産、流動負債として取り扱われることとなっています。

 正常な営業活動から生じる中心的な資産、負債については単純に流動資産、流動負債とみなすという別のルールに基づいているのです。これを、「正常営業循環基準」といいます。 



 

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