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実体経済への影響が本格化、来年の輸出に暗雲(下)

 家電市場はさらに深刻だ。家電製品は通常3カ月前に仮注文を受け、1カ月前に注文が確定する。しかし来年1月の注文は現時点でまったく入っていない。最近ハンガリーやウクライナなどの金融危機の影響で東欧市場が急速に委縮しているのも、大きな要因の一つと考えられる。

 半導体業界も影響は深刻と予想されている。昨年11%の成長率を記録したハイニックスは、当初2ケタだった今年の売上予想を最近下方修正した。ハイニックスは最近生産調整を開始しているが、今後はさらに工場の閉鎖などにより生産能力を30%縮小させるという。サムスン電子やLGディスプレーなどの液晶業界も、供給過剰と景気の悪化を克服するために相次いで生産調整に乗り出している。

◆自動車・精油・鉄鋼も注文が急減

 自動車・精油・鉄鋼などそれ以外の主な輸出業界の状況も同じようなものだ。韓国で生産する車の90%以上を輸出しているGM大宇は、GM本社から来年の生産量を調整する方向で準備するよう指示を受けている。欧米や中国市場での自動車販売が急激に減少し、在庫が積み上がっているからだ。GM大宇はすでに群山工場や富平工場の一部のラインで休日勤務はもちろん、平日の作業も一部中断しているような状況だ。

 現代・起亜自動車も、アバンテやセラトなどの中小型車の需要は堅調だが、グレンジャーやジェネシス、サンタフェ、トゥサンなど中大型車やSUV(スポーツタイプ多目的車)の注文は急激に減少している。そのため現代自は米国と中国の工場の生産量を調整する代わりに、東南アジアやアフリカなど新興市場をターゲットにした小型車市場の攻略に集中する戦略を展開している。現代自の関係者は「比較的仕事の量が少なかった中南米、中東、アフリカ、東欧圏の担当者が、今は輸出に向けて頑張っている」と述べた、

 世界的に景気が目に見えて悪化している鉄鋼も、来年の輸出については楽観できない状況だ。鉄鋼価格の下落により海外のバイヤーからの注文も途切れた状態にある。現代製鉄の関係者は「原油高で景気の良かった中東でも、最近は原油価格下落の影響で注文を先送りしたり、様子見の状態が続いている」と述べた。今年は原油高の中で輸出を伸ばした精油業界も、世界的な景気不振に伴う石油製品の需要減や原油安などによる単価の落ち込みで、来年の輸出は大きく減少すると予想されている。

金承範(キム・スンボム)記者

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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