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実体経済への影響が本格化、来年の輸出に暗雲(上)

 船主の多くが注文を先送りしている影響で、韓国の造船業界では来年に向けた受注交渉が突然中断するケースが相次いでいる。ある大手造船メーカーの関係者によると、「契約についての問い合わせはほとんどなく、交渉が具体的に進むこともほとんどない」「このままでは少なくとも来年上半期まで、受注がほとんどなくなる可能性が高い」と述べた。

 米国の携帯電話市場では最近になって通信業界各社が在庫管理に乗り出したことで、LG電子の海外営業担当は落ち着かない様子だ。端末の注文がこれまでとは異なり、1週間単位となってしまったからだ。LG電子の関係者は「米国の通信会社は通常1カ月の余裕を見て注文してくるが、最近は需要の先細りを見越して注文が1週間単位になっている」「年末にかけて注文はさらに減る可能性が高い」と述べた。

 世界的な金融不安が実体経済に影響を及ぼしている中、業界ごとに来年の輸出に黄信号が点っている。10月中旬の今の時期は、これまでなら来年の輸出に向けた注文が本格化するはずだが、今年は注文が減らされたり、注文そのものが先送りされるケースが続出している。サムスン経済研究所は来年の輸出増加率について、2002年以来7年ぶりの1ケタ(8.3%)成長に止まると予測している。

◆危機感高まるIT業界

 主な輸出業界の中で足元に火がついているのが電子・情報技術(IT)業界だ。一般の消費者と直接関連のある産業が多く、世界的な景気不振から直接の影響を受けやすいからだ。

 今年世界中で販売が大きく伸びた携帯電話は、来年はマイナス成長が予想されている。米国系投資銀行のメリルリンチは最近、来年の世界の携帯電話市場の成長率予測を、これまでの4%からマイナス5%へと下方修正した。携帯電話市場の縮小は前例のないことで、サムスン電子の関係者も「今はまだ景気の悪化が本格化しているわけではないが、来年の携帯電話市場は最悪の場合、マイナス成長になる可能性もある」と述べた。

金承範(キム・スンボム)記者

白承宰(ペク・スンジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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