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【コラム】傭兵に頼る世界第9位の軍事大国(下)

 これまで好況だった海運業界は、最近になって不況の直撃を受けている。穀物や鉱物を運搬する貨物船の一種・バルク船の市況を示すバルチック海運指数(BDI)は、20日には1355ポイントに墜落した。今年の最高点(5月、1万1793ポイント)に比べ89%も落ちており、2002年10月以来6年ぶりの最低水準となった。

 ただでさえ一銭も無駄にできない状況にある海運業界だが、ついに「傭兵の共同雇用」という前例のない自助策まで用意した。不況でよろめきながらも傭兵を雇うのは、海賊に乗っ取られた場合の被害が途方もなく大きいからだ。船舶価格だけでも普通は1億ドル(約97億円)かかり、船員たちの身代金として海賊に対し通常300万ドル(約2億9000万円)ほどの金を払わなければならない。海賊による被害には、保険は適用されない。一般の中小企業の場合、船が海賊に乗っ取られると直ちに倒産へとつながりかねない。

 世界各国は、ソマリアの海賊被害に見舞われた自国の船舶のため迅速な対応を行っている。既に21カ国の軍艦がソマリア海域で活動中だ。

 ところが韓国政府は、依然「検討中」という言葉を繰り返すばかりだ。今月末ごろ合同実査団をソマリア海域に派遣した後、調査の結果を基に艦艇を派遣するかどうかを決定するという。

 その間に韓国国民は、自らの財産と生命を守るための自助策として「外国の傭兵」を雇わなければならなくなった。米国中央情報局(CIA)の「2007世界軍事力報告書」で世界第9位の軍事大国という評価を受けた韓国の、異常な現実だ。

趙正薫(チョ・ジョンフン)社会部次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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