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対馬は報復心理の対象? 共存と対立の歴史 (2/3ページ)

2008.10.23 18:56

 10年ほど前に建てられたというが、その趣旨は「日本が独島に手を出すのならわれわれは対馬もよこせというぞ」という意味だ。

 筆者も韓国での各種インタビューでよくいわれる。「われわれが対馬は韓国領といったらあなた方はどうする?」というのだ。

 今から3年前、島根県が「竹島の日」を制定した際、韓国の馬山市議会が対抗して「対馬の日」を制定したのもそうだ。

 なぜ馬山市かというと、韓国側の“主張”は李朝時代の故事にかかわる。韓国(朝鮮)は1419年、海賊の倭寇退治を理由に対馬に侵攻したがこの時、韓国の水軍は馬山から出陣した。そしてこの事件の記録に「対馬はもともとわが国の領土」と書かれているのが、現在の“対馬韓国領論”の根拠になっているというわけだ。

 しかし韓国政府や識者の間では「この主張はまずい」という声が支配的だ。理由は「独島(竹島)の領有権主張までいい加減でデタラメと思われかねない」からだ。

 ただ超党派の国会議員による「対馬返還要求決議案」に対しては51%が賛成という世論調査(7月、リアルメーター社)がある。メディアや学校教育、口コミによる“一方的情報”が広がれば世論が本気になる可能性もある。

 韓国人の対馬観光は、近年の海外旅行ブーム、日本旅行ブーム、釣りブームの一環でもある。釜山から高速船でわずか1時間半。近くて安くて手軽で“歴史的快感”も楽しめる。

 経済発展を背景に活発化している海外投資の一環として、人気の対馬への観光・不動産投資は自然の流れだ。すでに日本各地で韓国資本によるゴルフ場買収も活発だ。これも韓国でのゴルフ・ブームを背景にしている。韓国が豊かになったのだ。

 鎖国時代の江戸時代に、対馬藩は日本唯一の“在外公館”として釜山に出先機関「倭館」があった。今も「対馬市釜山事務所」がある。対馬は歴史的に韓国−朝鮮半島との緊密な関係の中で生きてきた。国際化時代に“鎖国”というわけにはいかない。

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