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ふけ・きょうこ ● 早稲田大学人間科学部卒業。2001年、株式会社ギャガ・コミュニケーションズ入社。宣伝部にて、「シカゴ」、「オペラ座の怪人」、「キル・ビル」など数々のヒット作の宣伝を担当。現在は、「ライラの冒険 黄金の羅針盤」のパブリシティチーフを担当している。
常に新しい情報を頭に入れるため、自宅のHDDレコーダーに映画関連の情報番組はもちろんバラエティなどの高視聴率番組も録画。週末に膨大な量をチェックしている。
映画の宣伝というと、来日したハリウッドスターと一緒にプロモーションを行うなど、華やかなイメージが先行するが、冨家さん曰く「地味な仕事が大半を占めている」ようだ。
「出版社の編集部に一件ずつ電話をかけて映画の紹介をしたり、試写会の座席表をつくったり、一つの映画の宣伝に関わる仕事量は想像を絶するほどです」
平日は終電になることが多く、一切プライベートな時間はないというほどの超多忙ぶり。それでも「仕事が抜群に面白い」と断言してくれた冨家さん。華奢な体からは、想像できないくらいパワフルに仕事に取り組んでいる。
冨家さんは新卒で、難関を突破しGAGAの宣伝職に就いた。さぞかし映画好きなのだろうと質問してみると、意外な答えが返ってきた。
「本当に笑っちゃうんですけど、大学時代まで月1本映画を観ていたぐらいで、自分は他の人より、映画好きだと思っていたんです」
そんな彼女は入社早々、GAGAの洗礼をうけることになる。「1年に100本以上映画を観る映画オタクの先輩が山ほどいました。私の知っている監督といったら
TPOさえわきまえれば何を着てもOKな職場。今日は社内での仕事が多いので楽チンなワンピースをチョイス。洋服はネットで買うことも多いそう。
冨家さんは、自分の知識不足を痛感し、入社してから現在まで、公開された映画はほぼ全てチェックしたそう。また、効果的な宣伝を行う為に、常に世の中で何が流行っているかを把握しようと考えた。雑誌を読んだり、高視聴率のTV番組を自宅のHDDレコーダーに録画して週末にそれをチェックしたり……。膨大な量の情報を自分の知識として蓄えていったのだ。
「自分には早いのではないか」と冨家さんは悩んだ。でも、信頼している上司から「絶対できるから、やってみな」と言われ、チーフを引き受けた。
映画「オペラ座の怪人」は今でこそヒットしたというイメージがあるが、GAGAが買い付けた当時は宣伝に苦戦を強いられたそう。「日本で知名度が高いキャストはいないし、ミュージカル映画は好きじゃないという人も多くて、見向きもされませんでした」と3年前を振り返る。しかし、冨家さんはそんなムードにも屈せず、「この映画は圧倒的な映像美とキャストの歌唱力が売りなので、まず映画をみてもらおう」と、関係者に直接会い、どんなに面白いか、どのぐらいヒットの可能性を秘めているかを説いていった。
「ファッション誌なら、映画のファッションを取り上げた企画を提案するなど、どんな切り口ならその媒体の読者は映画が観たくなるのかを常に考えました」
すると興味を持ってくれる人が増えていったそう。試写を観た人からの評判も上々で、「番組で取り上げるよ」、「今度雑誌で特集するよ」という声が徐々に広がり、それが大きな波になっていた。そして迎えた公開初日。冨家さんは東京・有楽町の日劇PLEXにいた。宣伝担当者は、必ず公開初日に、上映に立ち会うそう。そこで彼女の目に驚くべき光景が目に飛び込んできた。
「日本最大級の劇場が初日に満席になったんです」
冨家さんは、溢れる涙が止められなかったそう。
「映画の宣伝は、仕事の成果が公開されるまで分かりません。公開初日
冨家さんが感じるこの業界で求められる人は、新卒は特に学ぶ意思があれば、映画マニアである必要はなくて、映画に対して冷静な興味を持っている人だそう。
結果「オペラ座の怪人」は興行収入42億円を突破、キャストや監督の知名度ではなく宣伝でGAGAがヒットさせた映画の代表作となったのだ。
そんなパブリシティで積み重ねた経験が実を結び、今年はGAGAの勝負作の1つでもある「SEX and the CITY」の映画の宣伝プロデューサーを務めることとなった。
「仕事で落ち込むことがあって、帰りの電車の中でずっとうつむいていたんです。そしたら先輩が『杏子、上を向け』って言うんです。『下を向いている間に、情報が見えていないことでマイナスになっている。顔を上げれば、電車の中吊り広告の情報が目にはいるから、少なくともプラス1になる。だから顔を上げたほうがいい』と励ましてくれました」
つらいときに顔を上げるか、下げるかでも宣伝マンにとって不可欠な情報の量に差がつく。どんなときにもプロ意識を忘れてはいけないという先輩の言葉。落ち込んだ時は、いつもこの言葉に励まされるそう。今では冨家さんは後輩を指導する立場。
「私は先輩にすごく恵まれていました、だから私も後輩のことを人一倍助けてあげなきゃと思っています」
困っている後輩がいれば、積極的に悩みに乗るように心掛けているそう。相談は仕事だけでなく、恋愛やプライベートな話にもわたる。恋愛と仕事の両立で悩む後輩も多いそう。
「忙しいからって、恋愛も結婚も難しいというのは違うと思います」と冨家さんは言う。「輝いていないと恋愛も、結婚もできないと思います。だから仕事を頑張って充実した毎日を送っていれば、いいパートナーも見つかるよってアドバイスしています。好きな仕事に打ち込む方が、人生にプラスになることが多いです」と忙しさを言い訳にせず、前向きに人生を楽しむ冨家さん。彼女を慕う後輩が多いのもうなずける。
最後にエスカーラ読者にアドバイスを頂いた。
冨家さんが現在宣伝を手掛けている「ライラの冒険 黄金の羅針盤」。2008年3月1日劇場公開予定。
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自分の気持ちに正直に一歩踏み出す勇気を持つことの大切さを冨家さんは教えてくれた。
株式会社ギャガ・コミュニケーションズ宣伝ヒカリグループマネージャー 冨家杏子さん
目の前にたくさんの選択肢があるなら、迷わず自分のやりたいことを選ぶべき。きっと人生のプラスになると思っています。
サントリー株式会社 RTD事業部 商品開発研究部 木村実果さん
仕事もスポーツと一緒。うまくやろうと思うんじゃなくて、目の前にあることをきちんとやると結果がついてきます。
株式会社スタージュエリー 広報宣伝室 主任 プレス 三浦麻依さん
今日のことがすべてじゃない。だけど今日の失敗も成功も明日の自分につながっています。
りそな銀行 地域サポート部 佐藤純さん
自分だけが頑張ることが正解じゃない。いかに多くの人に助けられているか感謝の気持ちを大切にしています。
全日本空輸株式会社(ANA) 商品戦略室 越智彩子さん
興味を持ったら迷わず飛び込んでみる。それをどう生かせるかは、後から考えればいいことです。
バンダイビジュアル株式会社 プロデューサー 西川朝子さん
辛い時こそ、もっと動いてみる。一歩踏み出す勇気があれば新しい世界が開けてきます。
Francfranc ファブリック開発マネージャー 齊籐朋子さん
20代は吸収力がとっても高い時期。新しいことを始めるのに、まだまだあきらめる年齢じゃない。