慈恵病院(熊本市)の赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)で、赤ちゃんを預けた保護者から事後に連絡があったことを病院が市に報告していないケースがあったことが分かった。21日に開かれた市要保護児童対策協議会の赤ちゃんポストの専門部会で報告された。赤ちゃんが不利益を被るような問題は生じなかったが、市は連絡を徹底するよう指導した。
部会後に会見した部会長の木村正博・市子ども未来局長が明らかにした。市のマニュアルは保護者から連絡があった場合「病院は児童相談所と熊本市、警察に届ける」と定めている。実際に、親がポストに赤ちゃんを預けた翌日に病院に連絡してきたケースがあったが、病院は児童相談所だけに報告していた。市は10月に開いた専門部会の事前打ち合わせで、その事実を知ったという。
赤ちゃんの身元が分からない場合、市は児童相談所と協議して戸籍を作るが、今回は作成前だった。
慈恵病院は「(親が連絡をしてくるのは)まれなケースのため、報告を忘れてしまった」と釈明した。【結城かほる】
毎日新聞 2008年10月23日 地方版