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くらし

肝疾患で60病院が医療連携、死亡率半減へ 兵庫県 

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 肝がん死亡率が全国平均を大きく上回る兵庫県はこのほど、肝疾患対策の「専門医療機関」と「協力医療機関」に計六十病院を指定し、県内の医療連携体制を構築した。地元のかかりつけ医から全県の連携拠点病院の間をつなぎ、切れ目ない医療を提供。県内に約十六万人いるとされる無症状の肝炎ウイルス感染者を手厚くケアするとともに、肝炎発症者への治療を体系的に進め、死亡率の半減を目指す。

 肝がんによる県内の死者数は二〇〇六年に千八百五十七人で、都道府県で四番目の多さ。人口十万人当たりの肝がんによる死亡率も、全国平均の二六・七人に対し、兵庫は三三・七人(十四位)に上る。肝がんの原因の九割以上が、B型やC型などの慢性肝炎からの移行という。

 県は、無症状のウイルス感染者をより多く把握し、慢性肝炎から肝硬変、肝がんと移行していく患者に、医療機関が連携して治療に当たることが必要と判断。県内を県民局で分けた十圏域ごとに一-五病院の計二十一病院を「専門医療機関」とし、それを補完する「協力医療機関」には計三十九病院を指定した。これに全県的な治療拠点である兵庫医科大病院を加えた六十一病院で、肝疾患対策の“医療機関ピラミッド”を完成させた。

 また、無料の肝炎ウイルス検査を受けるように呼びかけ、感染者には県が作成した「肝炎手帳」を配布。慢性肝炎患者には、「専門」や「協力」などの医療機関で、肝炎ウイルスを除去するインターフェロン治療を積極的に導入し、肝がんへの移行を予防する。肝硬変や肝がんの患者には、兵庫医科大病院を中心に、県内に十三ある「がん診療連携拠点病院」での治療を進める。

 インターフェロン治療は、今年から自己負担を月額一万-五万円に抑える助成制度ができており、現在は約千三百人が受けているが、県は年間約五千七百人に拡大することを目指す。専門・協力医療機関は県のホームページでも確認できる。(畑野士朗)

(10/23 09:19)

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