IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、2007年通年の国内PC市場実績について発表しました。これによると、2007年の出荷台数は前年比1.0%減の1,414万台となりました。
家庭市場は、2006年にトリノオリンピックなどの影響で家電製品に個人消費が流出しましたが、2007年にはWindows Vistaの発売もあり、特にポータブルPCに需要が戻りました。しかし、薄型テレビの低価格化がデスクトップの需要に影響を与えたため、家庭市場は546万台、前年比2.6%増と若干のプラス成長にとどまりました。一方、ビジネス市場は、前年比3.1%減の867万台と、2年連続のマイナス成長となりました。ただ、2007年第4四半期のビジネス市場は、前年同期比9.1%増であり、5四半期ぶりにプラスに転じています。
こうした状況について、IDC Japan PCs グループマネージャーの片山雅弘は「2007年の家庭市場はWindows Vistaの発売に伴い、少なからず需要が喚起されたが、デジタル家電の影響を受けやすく、家庭市場全体の足場はまだ弱い。2008年は北京オリンピックの年でもあり、厳しい状況が続くであろう。一方、ビジネス市場では、買い替え需要が立ち上がりつつある。2008年にはさらに買い替え需要が促進され、その需要がPC市場全体をプラス成長に導く構造になるだろう」と分析しています(図1)。
ベンダー別では、2006年と比べ、上位10社の中では順位の変動はありませんでした。2007年の国内PC市場では、上位10社のうち富士通、HP、アップルが前年比プラス成長となり、シェアも伸ばしています。なかでも2位の富士通は、2007年第4四半期に前年同期比で30.7%増と、非常に高い成長をとげ、2007年第4四半期だけで見るとシェアにおいて1位となりました。
その他のベンダーはマイナス成長となりました。このような状況のなか、これまでシェア重視であったベンダーも収益を重視する傾向がでてきています。得意とするセグメントに投資するなど、選択と集中が行われつつあります。そのため2008年は、ベンダーごとに民間、官公庁などのセグメント別の棲み分けがますます鮮明になると考えられます。
IDC Japanでは2008年の国内PC市場を前年比2.9%増の1,455万台と予測しています。2008年の家庭市場は北京オリンピックの影響を受け、成長が期待できない半面、ビジネスはリプレイスメントの周期性により、プラス成長を持続すると予測しています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「Japan PC 2008-2012 Forecast and Q407 Vendor shares: Quarterly Model Analysis」(J8100301)にその詳細が報告されます。
(※レポートの詳細については
へお問合せ下さい。)
 |
Japan PC 2008-2012 Forecast and Q407 Vendor shares: Quarterly Model Analysis |
本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいうPC市場には、x86サーバー、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています。IDCではより正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。
<参考資料>
図1. 2000年~2007年 国内PC市場出荷台数/前年成長率: 家庭/ビジネス別

Source: IDC Japan, 3/2008
表1. 2007年 国内PC市場ベンダー別出荷台数 (単位:千台)
Source: IDC Japan, 3/2008
図2. 2007年 国内PC市場出荷台数ベンダーシェア

Source: IDC Japan, 3/2008
|