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2008年10月23日

 「UFO」と「雪男」の話題は20世紀以来のナゾであり、国と時代を超えて好まれる。昨日の本紙国際面には、何とその二つの記事が並んでいた

詳細は紙面を見てもらいたいが、この手の話は何年かごとに出てくる亡霊のようなものだ。決定的証拠がないのはいつも同じ。本気で否定する必要のないSFの一種、21世紀のおとぎ話だろう

が、もう一つの「未確認情報」はどうか。重大発表があるとされた北朝鮮の件である。結局何もなくデマに踊らされた格好になった。いつ発表があっても不思議ではないと思う社会心理がデマを広げる土壌になったに違いない

今回の空騒ぎを、デマにほんろうされない社会への教訓としたいが、前近代的な北朝鮮の国家体制といい、過去と似た米国発の経済混乱といい、前世紀の課題が克服されないまま21世紀を騒がせている現実を痛感する

本来は昔話であるはずの「独裁国家」や「経済恐慌」が人類につきまとい、忘れたころに襲いかかるのである。UFOや雪男伝説と似ているが、いまだ前世紀の遺物になりきってない。亡霊退治へ、われわれの知恵が試されている。


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