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【対馬が危ない】(下)生き残りへ苦渋の“歓迎” (4/4ページ)
このニュースのトピックス:安全保障
◆ようやく危機感台頭
こうした状況に対馬市もようやく目が覚めたのか、危機感を強めてきている。
財部市長は「少なくとも国境に面した島については、安全保障の点からも外国資本による不動産買収を認めない除外規定など、実効支配につながることを防ぐ手だてを設けるべきだ」「日本人の国境に対する感覚は極めて希薄。対馬の資源を生かした新たな産業を興すなど、国境に面した島を守る施策をとるべきだ。それが国境を国土として国が守っていくことになる」と“防人(さきもり)の島新法”の成立を訴える。
駐留する自衛隊の増強も一つの手段だ。本土に住む日本人が当事者意識を持って不動産の買収に乗り出し、買い占めに歯止めをかけるのもその方法だ。対馬の特性を生かし、海洋学などの教育施設を造ることもありうる。
対馬市では、新法の素案作りを始めたが、対馬問題は単に対馬だけの問題にとどまらない。国家防衛は、常に最悪の事態を想定しなければいけない。
島民からはこんな声が聞こえてきた。
「韓国によるリゾート化は、密航組織に利用される懸念があるうえ、有事の際にはゲリラの潜入さえ可能にしてしまいかねない」
韓国資本による対馬攻勢は激しいスピードで進んでいる。残された時間は少ない。(編集委員 宮本雅史)