しかし、園児が涙を浮かべる報道に、橋下徹大阪府知事は「園児の涙を利用した」と批判をしています。
そして、土地の所有者であり、北巣本保育園の理事でもある松本剛一氏が大阪府のお願いを聞き入れない我侭な人物という報道も目立つようになってきました。
しかし、橋下府知事に賛同する意見も、松本理事に賛同する意見も根本的な問題に対する意識が欠落していると思います。
そして、弁護士でもある橋下大阪府知事の対応は、民主主義の原理原則を理解していないものとして、批判されるべきだと思います。
あなたは、あなたの所有する土地が高速道路の予定地になった場合、おとなしく従いますか?それも、代替地の価値が現在の土地の半分程度だった場合でもおとなしく従うのでしょうか?
もちろん、従う人も多いと思います。
しかし、従わない人がいても不思議ではないと思います。
今回の問題の本質は、従わない松本理事の土地を、これ以上収用を先延ばしにすると事業収益が失われる恐れがあるから、行政代執行によって強制収用したというものです。
それも、強制収用の執行停止が係争中(地裁は松本理事が敗訴し、高裁に抗告中)に、収益費用が失われるとの理由で強制収用が行われたのです。
この問題、園児の涙がクローズアップされ、橋下府知事が園児の涙を批判したことで問題がすり変えられてきましたが、問題の本質は係争中の強制収用の是非にあるはずです。
そして、行政の判断を司法で争うのは当たり前に認められる権利であるはずなのです。
橋下府知事の口にした6億~7億という通行料の損の根拠は良く分かりませんが(たぶん、国土交通省の作成した交通量推計を下にした数字だと思われますが)、それが人の土地を強制収用して良い根拠になるはずもありません。
そして、司法判断の機会を強制収用によって奪って良いはずもありません。
民主主義とは、コストがかかるものだと思います。
特に公の福祉と個人所有の問題が対立するのは仕方ないでしょう。
少なくとも、それ対立に断を下すのが司法の役割であり、その間の様々なコストは民主主義のコストとして織り込むべきものだと思います。
また、松本理事に対する批判も、最高裁まで争われたのに従わないのであったときにはじめて意味をなすものです。
今の段階では、少なくとも自分の土地で何をしようとも自由なのは当たり前の話で、大阪府が芋掘りを早めてくださいとお願いしたのに聞かない松本理事が悪いという批判は本末転倒でしょう。
また橋本府知事の6億~7億という発言も、民主主義の原則を理解していない問題発言だと思いますし、そもそも財政赤字下で建設が本当に必要な道路なのか否かを精査しなおすのが自称「改革派」府知事の役割ではないでしょうか?
それらの原則をすべて無視し、お願いしたのに聞かない相手が悪いというような論の立て方には甚だ疑問を感じます。
橋下知事は、大型公共事業への見直しをほとんど行わず、福祉サービスなどの削減で財政建て直しを図る予定のようです。
それも一つの方法ですが、それであれば財政再建派の看板は下ろし、福祉切捨派と称するべきなのでしょう…
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橋下知事のイメージを作りをしているマスコミも問題なのですけどね
■悲しいですね
橋下氏とそれを擁護する府民を見れば、民衆は自分のレベル並みの首長・議員しか選出できないことが証明されていますね。この上は橋下氏の大スキャンダルを待ってリコールするしかないようです。目覚めよ大阪府民!!