村井仁知事は22日、医師不足から分娩(ぶんべん)の扱いを休止していた県立須坂病院の産婦人科について、11月から新たに2人の産科医師が勤務すると正式に発表した。
30歳代と40歳代の男性医師で、東京都内の医療機関から着任する。県内での勤務経験もある。当面は非常勤だが、県は早期に常勤医師として採用する方針。同病院の産婦人科は医師3人となることから、11月からお産の予約を受け付け、分娩の取り扱いも3月から再開する見通し。
知事は「県の組織や市町村長の力も借り、私自身も人脈をたどり今日に至った。早い時期に2人を常勤医師として採用し、産科医療が安定して提供できるよう対応したい」と述べた。
分娩再開決定を受け、須坂市の三木正夫市長は同日、市役所で会見し「大変ありがたい。市民の熱意があってこそ実現できた。市や周辺地域だけでなく県にとっても良いこと」と歓迎。同席した斉藤博・須坂病院長は「分娩が再開できると思っていなかったのでうれしい。着任次第、予約受付など具体的に進めていく」と話した。【神崎修一、大島英吾】
毎日新聞 2008年10月23日 地方版