「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」骨子案に
ご意見をお寄せください!
この条例の趣旨
- この条例は、受動喫煙による健康影響を防止し、県民の健康を守ることを目的としています。たばこの販売や、たばこを吸うこと自体を制約しようとするものではありません。また、すでに自主的に禁煙とされている場所で喫煙を可能とする趣旨でもありません。
- 喫煙者・非喫煙者の双方の自由や事業者の経済的自由等にも配慮し、かつ受動喫煙の防止が一歩でも進むよう、新しい社会的な分煙のルールを定めようというものです。
- この条例は、多くの県民の皆さんの意見をもとに、つくり上げていくものです。よりよい条例づくりのために、できるだけ多くの方が、それぞれの立場で意見をお寄せいただくことを願っています。
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受動喫煙防止対策を進める条例の必要性
- たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれていますが、火のついた側から立ち上がる煙(副流煙)の方に多く含まれ、他人のたばこの副流煙を吸わされる受動喫煙によって、がんだけでなく心筋梗塞など様々な健康影響があることが、数多くの科学的な研究によって証明されています。
- そのため、日本を含む世界150か国以上が批准した「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」が平成17年2月に発効し、欧米やアジア各国の法律や州法で、官公庁や学校だけでなく、レストランやバーなどの飲食店、ホテル、公共交通機関など「屋内の公共の場所」での禁煙を定めるようになり、すでに心筋梗塞の発生低下など健康への良い影響が確認されています。
- 日本では、健康増進法により、多数の者が利用する施設の管理者には、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずる努力義務が課されました。
- しかし、県が昨年行った調査では、飲食店、駅・バスターミナルなどを中心に、まだまだ受動喫煙を受ける人が多いこと、また、県民意識調査などを通じて、多くの県民が、民間施設も含めた公共の場での、条例などによる規制を望んでいることが明らかになっています。
- 県では、平成17年に「がんへの挑戦・10か年戦略」を策定し、かねてから総合的ながん対策に力を入れてきましたが、他方、国にはこれ以上の受動喫煙防止対策を進める具体的な動きがないため、この条例の制定に向け、昨年度から「ふれあいミーティング」で県民から意見を聞き、学識者等から構成する検討委員会で検討を進め、今年4月に条例の「基本的考え方」を発表しました。
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条例の「基本的考え方」と骨子案
- 不特定多数の者が利用する、公共的施設の室内またはこれに準ずる環境では原則禁煙とする、この「基本的考え方」に対しては、パブリックコメントで3,700件以上の様々な意見が寄せられたほか、施設管理者等との意見交換や、ウイークリー知事現場訪問などを通じて、数多くの県民の意見が寄せられました。
- さらに、県議会での議論、条例検討委員会での検討を踏まえ、このたび条例の骨子案を取りまとめました。
- 受動喫煙による健康影響を防ぐことの重要性にご理解いただくとともに、より良い条例づくりに向け、県民の皆様の意見をお待ちしています。
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ご意見をお寄せください
意見募集期間
平成20年9月16日(火曜日)から平成20年10月27日(月曜日)まで
骨子案の配布場所
ご意見の送り方
ご意見への対応
いただいたご意見は、今後策定する条例案に反映するほか、広く保健福祉行政の参考とさせていただきます。また、いただいたご意見をとりまとめ、県の考え方を整理したうえで、後日、県政情報センター、各地域県政情報コーナー、県のホームページで公表いたします。(個別の意見に対する回答はいたしませんので、ご了承ください。)
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問い合わせ先
神奈川県保健福祉部健康増進課 がん・健康対策班
電話 : 045-210-4780 または 045-210-4784
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「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」骨子案
1 条例名
「神奈川県公共的施設における受動喫煙防止条例(仮称)」とする。
- 本条例の目的は、不特定多数の者が出入りすることができる公共的な空間における受動喫煙による健康影響を防止することです。
- そこで、このことを明確にするため、条例名を「基本的考え方」での「神奈川県公共的施設における禁煙条例(仮称)」から変更します。
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2 目的
この条例は、受動喫煙による健康影響が明らかであることにかんがみ、県、県民及び事業者すべての主体が、あらゆる場面で受動喫煙防止に配慮した取組みを進めることを目的として制定する。
- (1) 受動喫煙による健康影響を未然に防止し、県民の健康の確保を図るため、県、県民及び事業者の責務を
明らかにする。
- (2) 県民が自らの意思で受動喫煙を避けられる環境の整備が促進され、成長過程にある未成年者が受動喫煙
による健康影響から保護されるよう、不特定多数の者が出入りすることができる公共的な空間における喫煙
の規制その他必要な措置について定める。
- (3) 普及啓発その他の受動喫煙防止促進に必要な施策を定める。
- 受動喫煙による健康影響を防止し県民の健康を守るためには、すべての公共的施設において、早期に受動喫煙防止対策が徹底されることが望ましいと考えます。
- また、喫煙者・非喫煙者の双方の自由や事業者の経済的自由等にも配慮することが求められます。
- そこで、県では、受動喫煙防止対策を実効のあるものとし、また規制についてきめ細かい配慮をするため、施設の性質、利用の実態等に応じた規制とするとともに、あわせて、本条例では規制の対象とはしていない職場や家庭も含めた受動喫煙の防止を促進するための施策を定めることとしました。
- なお、未成年者は受動喫煙による健康影響についての正しい知識や、自ら受動喫煙を避ける判断能力・行動能力が必ずしも十分でないため、より受動喫煙による健康影響を受けやすいと考えられますので、可能な限り、その保護が図られるようにしました。
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3 定義
この条例で用いる用語の定義は、次のとおりとします。
- (1) たばこ
たばこ事業法(昭和59年法律第68号)第2条第3号に規定する製造たばこのうち、喫煙用に供し得る状態に
製造されたものをいう。
- (2) 喫煙
火のついたたばこを吸う行為、火のついたたばこを所持する行為及び火のついたたばこを灰皿等に放置する
行為をいう。
- (3) 公共的空間
不特定多数の者が出入りすることができる空間で、室内又はこれに準ずる環境にあるものをいう。
- (4) 公共的施設
公共的空間を有する施設で、別表に掲げる施設をいう。
- (5) 施設管理者
公共的施設を現に管理する者をいう。
- (6) 事業者
公共的施設その他の施設において事業を行う者をいう。
- (7) 保護者
親権を行う者、未成年後見人、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設の
長その他の者で未成年者を現に監督保護する者をいう。
- (8) 受動喫煙
室内又はこれに準ずる環境において他人のたばこの煙を吸わされることをいう。
- (9) 禁煙
喫煙を禁止することをいう。
- (10) 分煙
別に定める基準を満たすように、公共的空間を喫煙区域と非喫煙区域とに分割することをいう。
- (11) 喫煙区域
分煙により、他の空間にたばこの煙が流れ出ないように分割された喫煙することができる区域をいう。
- (12) 非喫煙区域
公共的空間のうち喫煙区域及び喫煙所以外の喫煙することができない区域をいう。
- (13) 喫煙所
別に定める基準を満たすように区画されたもっぱら喫煙するための区域をいう。
- (14) 施設管理者専用区域
不特定多数の者が出入りすることのないもっぱら施設管理者の使用に供される区域をいう。
この定義のいくつかについて、より詳しく説明します。
(1) たばこ
- 一般的な紙巻たばこのほか、葉巻、パイプなど喫煙に用いられるものを条例の対象とします。ただし、この条例は受動喫煙を防止することを目的としていますので、煙を出さない、かみたばこ及びかぎたばこは、条例の対象としません。
(2) 喫煙
- この条例は受動喫煙を防止することを目的としていますので、火のついたたばこを吸う行為に限らず、火のついたたばこを所持したり、火のついたたばこを灰皿等に放置する行為を含みます。
(3) 公共的空間
- 公共的空間とは、一般に、不特定多数の者が出入りすることができる、いわゆるパブリックスペースをいいますが、本条例では、このうち、室内またはこれに準ずる環境にあるものを規制の対象とします。
- したがって、たとえば、路上や公園は、いわゆるパブリックスペースではあっても、本条例による規制の対象とはなりません。
(4) 公共的施設
- 公共的施設とは、公共的空間を有する施設のことをいいます。
- なお、この「公共的」とは、施設の所有権や設置・管理権限に着目した概念ではありませんので、本条例にいう公共的施設には、民間の施設も含まれます。
- 具体的な対象施設については、別表をご覧ください。
(5) 施設管理者
- 施設管理者とは、公共的施設を現に管理する者をいい、その者の名称や役職、事業主との雇用関係は問いません。
- たとえば、ファーストフード店の店長については、自らが事業を行っていない場合においても、その事業所(公共的施設)の管理責任を有する者として、本条例の施設管理者に該当します。
(10) 分煙
(13) 喫煙所
- 喫煙所とは、主として喫煙するために設けられた区域をいい、それ以外の目的では利用することはできません。たとえば、レストランに設置された喫煙所において、飲食のサービスを行うことはできないこととなります。
- 受動喫煙防止のため、喫煙所から非喫煙区域へ、たばこの煙が流れ出ないようにする必要がありますが、その方法や基準は、分煙の場合と同じです。
(14) 施設管理者専用区域
- 施設管理者専用区域とは、不特定多数の者が出入りすることのない施設管理者の専用区域をいいます。
- たとえば、施設利用者が訪れることが予定されていない事務室や倉庫、従業員専用の更衣室、休憩室などがこれに該当します。
- なお、事務室として使用されていても、同じ区域に施設利用者のための窓口があったり、施設利用者の休憩のための設備があるものについては、その室内は公共的空間となりますので、この施設管理者専用区域には該当しません。
(参考)この条例での非喫煙区域(テナントビルの場合)

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4 責務
- (1) 県の責務
- 受動喫煙の健康影響及び受動喫煙防止に関する知識の普及啓発その他の必要な施策を策定し、実施するとともに、県民が受動喫煙を受けることがないよう環境を整備すること。
- 受動喫煙防止の推進に関する施策の策定及び実施に当たって、県民、事業者、市町村等との連携及び協働に努めること。
- 自らが設置し、又は管理する施設について、受動喫煙防止の措置が遵守されるよう適切な措置を講じること。
- (2) 県民の責務
- 受動喫煙による健康影響について理解を深めるとともに、他人に受動喫煙させることのないよう努めること。
- 県が実施する受動喫煙防止の推進に関する施策に協力するよう努めること。
- (3) 保護者の責務
監督保護する未成年者を受動喫煙による健康影響から保護するよう努めること。
- (4) 事業者の責務
- 事業活動を行うに当たって、受動喫煙の防止に自ら努めること。
- 県が実施する受動喫煙防止の推進に関する施策に協力するよう努めること。
(1) 県の責務
- 県民の皆さんが自己の健康増進を図ることができるよう、県は、受動喫煙による健康影響に関する正しい知識の普及啓発を行うとともに、県民が自らの判断で受動喫煙を避けられるよう環境を整備します。
- 受動喫煙防止対策を着実に推進するためには、県民、事業者、市町村等の協力が不可欠ですので、連携や協働に努めます。
- また、県が自ら設置、管理する施設において受動喫煙防止の措置が遵守されるよう率先して取り組みます。
(2) 県民の責務
- 受動喫煙による健康影響についての理解を深め、正しい知識を身につけることによって、他人に受動喫煙させることのないよう努めることが求められます。
(3) 保護者の責務
- 家庭内はもとより生活全般において、その監督保護する未成年者が受動喫煙を受けることがないよう努めるとともに、受動喫煙による健康影響に関する正しい知識を身に付けさせることが求められます。
(4) 事業者の責務
- 公共的施設を管理している事業者には、その管理する施設の利用者が受動喫煙を受けることがないように配慮する責務があります。
- 事業者は、この条例による喫煙規制の対象とならない職場等においても、健康増進法や労働安全衛生法による努力義務を負っていることから、受動喫煙防止対策を進める必要があります。
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5 規制対象
- (1) 公共的施設を別表のとおり区分し、その公共的空間を規制対象とする。
- (2) 一つの建物内に複数の事業所が存在する場合(テナントビル、地下街等)には、それぞれの事業所ごとに
本条例を適用する。
- (3) (2)の場合において、共用とされた公共的空間は第1種施設に準ずるものとし、その施設管理者に本条例を
適用する。
- (4) 施設管理者専用区域については、規制の対象外とするが、公共的空間にたばこの煙が流れ出ないように
しなければならない。
別表
第1種施設
利用者に選択の余地が無い(もしくはほとんど無い)、代替性が低い施設、健康維持や健康増進を目的に利用される施設、多数の者が集合して利用する施設及び他法令(条例を含む。)等により喫煙が規制されている施設
区分 |
施設 |
(1) 学校 |
幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、中等教育学校、高等専修学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校、各種学校、自動車教習所、その他これらに類する施設 |
(2) 体育館・ 屋外競技場 |
運動施設(体育館、スポーツクラブ、フィットネスクラブ、プール、野球場、サッカー場、ラグビー場、テニス場、ゴルフ場)、その他これらに類する施設
公衆浴場 |
(3) 病院・診療所 |
病院、診療所、助産所、薬局、療術所、その他これらに類する施設 |
(4) 劇場 |
映画館、演劇場、音楽ホール、演芸場、その他これらに類する施設 |
(5) 観覧場 |
競馬場、競輪場、運動施設の観覧区域、その他これらに類する施設 |
(6) 集会場 |
公民館、児童館、結婚式場、葬祭場、火葬場、納骨堂、境内建物、その他これらに類する施設 |
(7) 展示場 |
展示場、イベントホール、コンベンションセンター、その他これらに類する施設 |
(8) 百貨店・商店 |
物品販売業施設(百貨店、ショッピングセンター、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、その他これらに類する施設)
電気・ガス・水道・郵便等の公益事業所 |
(9) 官公庁施設 |
国及び地方公共団体の事務又は事業の用に供する施設、その他これらに類する施設 |
(10) 公共交通機関 |
旅客施設(鉄道駅舎、モノレール駅、新交通システム駅、旅客船ターミナル、バスターミナル、その他これらに類する施設)
鉄軌道車両、モノレール車両、新交通システムの車両、バス、タクシー、旅客船。ただし、都県境を越えて定期運行されるものを除く。 |
(11) 金融機関 |
銀行、信託銀行、信用金庫、信用協同組合、労働金庫、政府系金融機関、金融商品取引業、農業協同組合、水産業協同組合、その他これらに類する施設 |
(12) 美術館・博物館 |
博物館、美術館、動物園、植物園、図書館、遊園地、その他これらに類する施設 |
(13) 社会福祉施設 |
児童福祉施設、身体障害者社会参加支援施設、保護施設、婦人保護施設、老人福祉施設、有料老人ホーム、母子福祉施設、母子保健センター、介護老人保健施設、障害者支援施設、授産施設、隣保館、その他これらに類する施設 |
第2種施設
第1種施設以外の施設
区分 |
施設 |
(1) 飲食店 |
レストラン、ファミリーレストラン、ファーストフード店、寿司屋、喫茶店、ラーメン店、居酒屋、その他これらに類する施設 |
(2) ホテル・旅館等の 宿泊施設 |
ホテル、旅館、その他これらに類する施設 |
(3) 遊技場・娯楽施設 |
ゲームセンター、カラオケボックス、その他これらに類する施設 |
(4) サービス業施設 |
クリーニング店、古物店、質屋、理容所、美容所、旅行代理店、不動産店、法律事務所、行政書士事務所、司法書士事務所、公認会計士事務所、社会保険労務士事務所、税理士事務所、弁理士事務所、探偵事務所、その他これらに類する施設
勝馬投票券発売所、場外車券売場、モーターボート競走法(昭和26年法律第242号)に規定する場外発売所 |
ただし、次の施設については、6(2)に規定する施設管理者の義務について、本条例の施行の日から3年間は適用しない。
なお、当該施設の喫煙区域内には未成年者が立ち入ることができない旨の表示を義務付ける。
区分 |
施設 |
(1) 飲食店 |
キャバレー、ナイトクラブ、バー、その他これらに類する施設 |
(2) 遊技場・娯楽施設 |
パチンコ店、マージャン店、その他これらに類する施設 |
(1) 規制対象
- 施設の性質、利用の実態や、喫煙者・非喫煙者の状況等を勘案して、施設を2つに区分します。
- 施設の区分により、受動喫煙の防止を図るための措置の内容が異なります。
【第1種施設】
- 利用者に選択の余地が無いため、そこで喫煙されると受動喫煙を避けることができないなど、喫煙規制の必要性が高い次に掲げる施設を第1種施設として区分し、その公共的空間を禁煙とするとともに、施設入口に禁煙である旨の表示を施設管理者に義務付けます。
- 利用者に選択の余地が無い(もしくはほとんど無い)、代替性が低い施設
- 健康維持や健康増進を目的に利用される施設
- 多数の者が集合して利用する施設
- 他法令(条例を含む。)により喫煙が規制されている施設
公共的施設における喫煙を規制している法令(条例を含む。)には例えば次のようなものがあります。
法令・条例名 |
規制内容 |
鉄道営業法 (明治33年法律第65号) |
停車場その他鉄道地内及び禁煙とされた車内における喫煙の禁止(第34条第1項第1号) 【鉄道駅舎及び鉄道車両】 |
軌道運輸規程 (大正12年鉄道省令第4号) |
客車内における喫煙の禁止(第7条) 【軌道車両(モノレール、新交通システム等)】 |
旅客自動車運送事業運輸規則 (昭和31年運輸省令第44号) |
禁煙の表示のある事業用自動車内における喫煙の禁止(第53条第6号) 【バス、タクシー】 |
各市町村火災予防条例 ※横浜市火災予防条例の場合 (昭和48年条例第70号) |
消防長が指定する場所における喫煙を禁止(第28条) 【劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂又は集会場の舞台又は客席】 【百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗若しくは展示場又は地下街の売場又は展示部分】 |
- また、公共交通機関のうち、新幹線や高速道路を通過するバスのように、都県境を越えて定期運行されるものについては、除外します。
【第2種施設】
- 第1種施設以外の施設を第2種施設として区分し、施設管理者が禁煙又は分煙のいずれかを選択するものとし、施設の入口にその旨の表示を義務付けます。
- 分煙を選択した場合には、喫煙区域に未成年者を立ち入らせることはできません。また、喫煙区域の入口に未成年者の立入りができない旨の表示を義務付けます。
- 非喫煙区域では、灰皿等喫煙のための設備を撤去する義務を施設管理者に課します。また、施設管理者は、非喫煙区域で喫煙している人に対して注意しなければなりません。
- なお、次に掲げる第2種施設については、当該施設の喫煙区域内には、未成年者が立ち入ることができない旨の表示を義務付けた上で、6(2)の施設管理者の義務の適用を本条例の施行の日から3年間は適用しません。
- キャバレー、ナイトクラブ、バー等
- パチンコ店、マージャン店等
- こうした施設については、喫煙者の割合が特に高いという利用実態があり、また、県が平成19年度に実施した県民意識調査において「規制の対象として望ましい施設」として挙げた人の割合が最も低く、さらに、これらの施設は風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)の規制により、青少年の利用が本来想定されていません。
- このため、本条例の施行後3年間は、こうした施設における受動喫煙防止対策の必要性を周知し、利用者・事業者の双方に理解していただくための期間として、施設管理者の義務に関する本条例の規定を適用しないこととします。
【この条例の対象とならない施設】
- 住居、共同住宅、入居型社会福祉施設の個室
- 宿泊施設の客室
- 公共的空間を有しない事務所(職場)
- 事務所の受動喫煙防止対策については、事業者に健康増進法の努力義務に加え、労働安全衛生法に基づく努力義務も課せられていることから、労使関係及び労働安全衛生の観点から行われる措置を基本とします。
- 事業者は、健康増進法及び労働安全衛生法の観点から、快適な職場づくりを進めてください。県としても、より一層の受動喫煙防止対策を進めるよう、普及啓発に努めます。
(2) 一つの建物に複数の事業所がある場合の本条例の適用
- ひとつの建物内に複数の事業所が存在する場合には、それぞれの事業所ごとに公共的施設に該当するか否かの判定を行い、本条例を適用します。
- たとえば、いわゆるテナントビルや地下街の中に、コンビニエンスストアと飲食店が入居している場合は、それぞれの専用部分ごとに条例を適用します。この場合には、コンビニエンスストアが第1種施設に、飲食店が第2種施設に区分されることとなります。
(3) 共用部分の取り扱い
- (2)の場合において、建物内に共用部分とされた公共的空間があるときは、第1種施設に準ずるものとし、その施設管理者に対して本条例を適用します。
- たとえば、テナントビルのロビーやエレベータホールがこれに該当します。
- なお、居住用のマンションの共用部分は該当しません。
(4) 施設管理者専用区域
- 施設管理者専用区域については、喫煙所と同様に、公共的空間にたばこの煙が流れ出ないような措置をとらなければなりません。
- 施設管理者専用区域は、公共的空間ではありませんが、そこから公共的空間にたばこの煙が漏れてしまうと、公共的空間で受動喫煙防止対策を徹底しても、本条例の目的を達成することができません。このため、施設管理者専用区域で喫煙する場合には、たばこの煙が流れ出ないような措置をとることを、施設管理者に義務付けることとしました。その方法や基準は、分煙の場合と同じです。
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6 規制の内容
- (1) 喫煙の禁止
何人も、公共的施設の非喫煙区域においては喫煙してはならない。
- (2) 施設管理者の義務
施設管理者に、次のことを義務付ける。
- 第1種施設においては、当該施設の公共的空間について禁煙とし、施設の入口に禁煙である旨の表示を行うこと。
- 第2種施設においては、当該施設の公共的空間について禁煙又は分煙のうちいずれか一つを選択し、選択した措置に従った表示を施設の入口に行うこと。
- 喫煙所、喫煙区域及び施設管理者専用区域から非喫煙区域に、たばこの煙が流れ出ないような別に定める基準を満たす措置をとること。
- 喫煙所及び喫煙区域には、未成年者を立ち入らせないこと。
- 喫煙所及び喫煙区域については、その旨を表示するとともに、未成年者の立入りができない旨を、当該区域の入口に表示すること。
- 当該施設内の非喫煙区域から吸い殻入れや灰皿等の設備備品類を撤去すること。
- 当該施設内の非喫煙区域で喫煙をしている者を見つけた場合、喫煙をやめるよう注意すること。
- (3) 保護者の義務
保護者は、その監督保護に係る未成年者を、喫煙所、喫煙区域に立ち入らせてはならない。
- (4) 公共的施設の中に喫煙所を設置することができる。
(1) 個人の義務
- 公共的施設の非喫煙区域では喫煙できません。
- この「何人」とは、公共的施設を利用するすべての人をいい、県民だけではなく、県内在勤者、旅行者等も該当します。
(2) 施設管理者の義務
- 施設管理者には、施設の区分に応じた義務が課せられています。
(3) 保護者の義務
- 保護者は、その監督保護に係る未成年者を、喫煙所または分煙の場合の喫煙区域に立ち入らせてはなりません。
- したがって、分煙の場合の喫煙区域に、保護者自身は立ち入ることはできますが、未成年者を伴って立ち入ることはできません。
(4) 喫煙所
- 喫煙者にも配慮し、公共的施設の中に喫煙所を設置することができることとしました。
- 受動喫煙防止のため、喫煙所から非喫煙区域へ、たばこの煙が流れ出ないようにする必要がありますが、その方法や基準は、分煙の場合と同じです。
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7 実効性を確保するための措置
- (1) 上記6(1)の義務(非喫煙区域における喫煙)に反した者には、過料を科す。
- (2) 施設管理者としての義務に反した者については、次の措置を講じる。
- 立入調査
- 知事は、施設管理者の義務の履行を確保するため、必要な限度において、施設における喫煙の禁止の遵守状況について立入調査し、関係者に質問することができる。
- 立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
- 立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
- 指導・勧告
知事は、施設管理者が6(2)1.〜6.の義務に反した場合、必要な措置をとるべきことを施設管理者に対して指導し、又は勧告する。
- 命令
知事は、施設管理者が上記2.の指導又は勧告に従わない場合は、必要な措置をとるべきことの命令を行う。
- 罰則
次の場合には過料を科す。
- 上記1.の立入調査を拒み、妨げ又は忌避した場合
- 上記1.の質問に答えず、又は虚偽の答弁をした場合
- 施設管理者が6(2)1.〜6.の義務違反を理由とした命令に従わない場合
(1) 個人に対する罰則
- 非喫煙区域で喫煙した者に対しては、過料を科します。
(2) 施設管理者の義務違反に対する措置
- 立入調査は、表示義務のほか、分煙が必要な基準を満たしているか、喫煙区域に未成年者を立ち入らせていないかなど、本条例に定める施設管理者の義務履行を確保するため必要な限度で行います。
- 施設管理者が必要な措置や表示を行わない場合、指導・勧告を行います。
- 施設管理者が指導・勧告に従わない場合、必要な措置を行うよう命令を行います。
- 施設管理者が立入調査を拒み、妨げ又は忌避した場合やその際の質問に答えず、又は虚偽の答弁をした場合、あるいは、県の命令に従わない場合には、その者に過料を科します。
(3) 保護者への罰則適用について
- 親権の適切な行使に委ねることとし、罰則の適用はしません。
実効性を確保するための県の取組み
- 県は、問合せや相談窓口の設置や、県民・事業者への啓発活動を行うほか、立入調査、指導、勧告、罰則適用等、条例の実効性の確保に必要なことを行います。
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8 事実の公表
知事は、施設管理者が7(2)3.の命令に従わない場合、その事実及び施設名等を公表することができる。
- 本条例の目的を達成するためには、県民が受動喫煙にさらされないよう、必要な情報を提供する必要があります。
- このため、命令に従わない施設管理者が管理する施設の名称等を公表できることとします。
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9 必要な施策
受動喫煙防止の取組みを促進するため、必要な施策を行う。
- (1) 県民、事業者等に対する受動喫煙による健康影響についての普及啓発
- (2) 受動喫煙防止の積極的な取組みに対する表彰又は公表の制度
- (3) その他受動喫煙防止促進に資する必要な措置
- この条例の円滑な施行に向け、県はより一層、受動喫煙による健康影響に関する正しい知識の普及や、本条例の規制対象としていない職場や家庭も含めた受動喫煙防止対策を促進します。
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10 条例の施行
- (1) 周知期間
- 条例の趣旨、規制内容などについて、県民等及び事業者に十分に周知するため、公布の日から6か月後を施行日とする。
- (2) 準備期間
- 条例施行後、禁煙又は分煙の選択、選択に従った表示、選択した措置の実施、喫煙所の設置に要する準備期間として6か月を置き、そのうえで表示義務及び罰則を適用する。
- (3) 猶予期間
- 第2種施設のうち、一部の施設については、施設管理者に係る義務を施行の日から3年間は適用しないこととする。
- なお、当該施設の喫煙区域内には未成年者が立ち入ることができない旨の表示を義務付ける。
- この条例が公布されてから6か月は、周知期間とします。
- また、禁煙又は分煙の選択や分煙のための設備、喫煙所の設置等のため、さらに6か月を準備期間とします。
- その期限までの間にも、準備の整った施設においては、なるべく速やかに必要な措置等を行うように努めてください。
- 第2種施設のうち一部の施設については、6(2)に規定する施設管理者の義務を施行の日から3年間は適用しません。ただし、その施設の喫煙区域内には未成年者が立ち入りができない旨の表示をしなければなりません。
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11 条例の進行管理及び見直し
- (1) この条例の適正な執行に努めるとともに、条例制定にかかる影響を把握し、条例の見直しを行うため、
必要な調査を実施し、県民や有識者等からなる検討組織を設置する。
- (2) 受動喫煙防止対策を推進するため、規制対象、規制内容等については、受動喫煙防止対策の進捗状況等
を踏まえ、条例施行の日から5年以内に必要な見直しを行う。
- この条例制定にかかる影響を常に把握し、条例の適正な執行に努めるとともに、条例の見直しに向けた基礎資料を収集します。
- そのため、受動喫煙による健康影響に関する社会意識の変化、喫煙率の推移、公共的施設における受動喫煙防止対策の進捗状況、条例の実効性(遵守状況)等を把握するための調査を実施します。
- これらの調査結果を踏まえ、県民や有識者等からなる検討組織において検討を行った上で、受動喫煙防止対策を今後より一層推進するために、条例施行の日から5年以内に必要な見直しを行います。
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検討課題
(今後、条例案策定までに検討すべき事項)
- (1) 利用者が特定の者に限定される会員制施設(5 規制対象)
- 喫煙ルールを私的自治に委ねるべきであるとの意見がある一方で、加入が簡単な施設など多様かつ増加傾向にあり、限定が難しいとの問題点もあります。
- (2) 時間ごとに貸切ること等を目的とした施設(宴会場等)(5 規制対象)
- 宿泊施設の客室と同様、使う人の自主的な決定に委ねるべきであるとの意見がある一方で、宴会などの参加者の中には、意に反する受動喫煙を避けられないとの問題点を指摘する意見もあります。
- (3) 罰則(過料)の額(7 実効性を確保するための措置)
- 県内外の自治体の路上喫煙防止に関する条例での過料などを参考に、今後検討します。
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