世界大都市気候先導グループ(C40)の気候変動東京会議が二十二日、始まった。金融危機の拡大で、温暖化対策に停滞感が漂う今、自治体の挑戦的な取り組みに現状打破の期待がかかる。
C40開幕二日前、麻生政権になって初めての地球温暖化問題に関する懇談会が開かれ、温室効果ガス削減の中期目標を定めるための検討委員会設置を決めた。
中期目標とは、二〇一二年に期限が切れる京都議定書第一約束期間の後の削減目標で、おおむね二〇年が目標年とされている。
欧州連合はすでに昨年初め、二〇年までに一九九〇年比で20−30%削減するという数値目標を打ち出した。日本政府はようやく「検討」にこぎ着けた段階だ。
世界的な金融危機のあおりを受け、温暖化対策の経済への影響が懸念され、環境問題の優先順位が揺れる中で、C40は始まった。
〇五年にロンドン市長の提案で創設されたC40は、温暖化への危機感を共有し、連携して対策に取り組もうというネットワークだ。東京会議には、温暖化の影響を受けやすいアフリカや南米の都市からも実務責任者が参加し、情報を共有し、対策を話し合う。
自治体は国に比べて小回りが利き、住民との距離も近い。温暖化という抽象的な問題について地域の気候、風土、産業などへの影響を具体的に示し、身近な課題としてアピールしやすい利点がある。
京都議定書を離脱した米国でも、例えばカリフォルニア州は「二〇二〇年までに25%削減」を唱え、そのための行動を主要産業に義務付ける法律をつくった。連邦政府の強いリードで対策を進めてきたドイツでも、自治体の取り組みが関心事になっている。
国内にも温暖化対策推進法などに基づく政府のメニューを超えるユニークな事例は少なくない。
東京都は国際排出量取引市場の開設を目指す国際炭素行動パートナーシップに単独参加の意向を示している。京都市のコンビニ深夜営業規制は全国的な論議を呼んだ。名古屋市のように京都議定書を超える削減目標を掲げる自治体も増えている。
自治体が動き、住民が賛同すれば、そこに商機を見いだす企業も現れるはずだ。
C40は大都市の集まりだが、中小の市町村も住民を巻き込みながら、地域の特性を生かした対策づくりを競い合い、政府や企業に刺激を与えてもらいたい。
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