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ウォン安と株安の悪循環

 株価が為替相場の足かせとなり、さらに為替が株価の足を引っ張る「恐怖の悪循環」が加速している。

 22日の韓国株式市場でKOSPI指数が5.14%急落して引けると、ウォン相場は3.25%下落した。サムスン先物のチョン・スンジ研究員は「市場がますます敏感になり、為替市場と株式市場が互いに直接的な影響を与え合っている」と分析した。

 午前9時に取引が始まったソウル外国為替市場では、ウォン相場が前日比39.9ウォン(3.02%)安い1ドル=1360ウォンで寄り付いた。KOSPI指数も同5.6ポイント(0.47%)の小幅安となる1190.50ポイントと落ち着いていた。しかし、ウォン相場が一時1400ウォン台まで下落すると、株式市場では後場に入って投資心理が冷え込み、午後2時半ごろには同指数が100ポイント以上下落する場面もあった。

 実際に相場の推移を見ると、9月15日にリーマン・ブラザーズが破産申請を行って以降の26営業日で、ウォン安と株安が同時進行した例が18回もあった。そうでない日は為替と株価の変動幅が1%以内の日に限られた。チョン研究員は「騰落率まで似通っているのは、二つの市場が互いを意識し合っていることを示す」と分析した。

 これに加え、ソウル外国為替市場の出来高は最近25億ドル(約2440億円)前後で、1年前に比べ3分の1に落ち込んでいるため、外国人の株式売却資金が為替に直接的な影響を与えている。NH先物のイ・ジンウ部長は「以前は1億ウォン(約716万円)の売り物が出ても為替相場は10ウォン(約70銭)も変動しなかったが、最近は数十ウォンも変動する」と指摘した。ウォン安が進むと、外国人が為替差損を防ぐために株式を売り、外国人が株式を売ると、ドル需要増大を見込んでさらにウォン安が進む悪循環が加速している。

 また、外国人が株式取引口座の残余資金まで引き揚げており、市場の変動性が高まっている。8月の外国人による株式売り越し規模は3兆ウォン(約2150億円)だったが、ドルに交換した上で海外に持ち出された資金はそれを3000億ウォン(約215億円)上回る3兆3425億ウォン(約2340億円)=韓国銀行の国際収支基準、平均為替レート1047ウォンで計算=に達した。1-8月の外国人による売り越し額は25兆5533億ウォン(約1兆8300億円)で、外国人投資家が引き揚げた資金は31兆5393億ウォン(約2兆2600億円)に上った。

 大信経済研究所のキム・ユンギ経済調査室長は「外国人が為替差損を覚悟で株式を売るのは、現金がそれだけ不足しているためだ。当面はウォン安、株安が同時に進むことになりそうだ」と分析した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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