リボンのように長い羽根の尾を持つ新種の恐竜の化石が、中国内モンゴル自治区のジュラ紀中期〜後期(1億6800万〜1億5200万年前)の地層から見つかった。発掘した中国科学院の研究チームは、骨格の特徴から「鳥の祖先である始祖鳥に最も近い恐竜」としている。23日発行の英科学誌「ネイチャー」に発表した。
恐竜はハトぐらいの大きさで、推定体重約160グラム。全身が羽毛で覆われていたとみられる。羽毛を持つ恐竜としては最古の化石だ。尾には4本のリボン状の長い羽根(それぞれ長さ18.5センチ)があった。一方、前脚と後ろ脚に翼の痕跡がないことから、この恐竜は飛べなかったらしい。
鳥は恐竜から進化したとされる。前脚と後ろ脚に翼を持つ恐竜の化石も見つかり、この恐竜はグライダーのように滑空していたと考えられる。ところが今回見つかった恐竜は、翼がないにもかかわらず、この恐竜よりさらに鳥に近い骨格の特徴を持っていた。チームの張福成教授は「鳥への進化を果たす直前の『ミッシング・リンク(失われた環(わ))』にあたる恐竜だ」と説明する。
恐竜の進化に詳しい真鍋真・国立科学博物館研究主幹は「滑空していたとみられる恐竜より鳥類に近いという解析結果に驚いた。鳥類に進化する前に飛ぶのをやめた可能性があり、興味深い」と話している。【永山悦子】
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