宝くじで約2億円を当てた岩手県一関市の女性が2005年4月に失跡する事件があり、同県警は22日、この女性を殺害したとして東京都台東区松が谷4、朝日新聞配達員熊谷甚一容疑者(51)を殺人容疑で逮捕した。
県警は捜査本部を設置し、当選金の行方などについても熊谷容疑者を追及する。
発表によると、熊谷容疑者は05年5月ごろ、当時住んでいた岩手県陸前高田市で、知人の一関市千厩町、無職吉田寿子さん(当時42歳)を殺害した疑い。
吉田さんは04年夏、宝くじで約2億円を当て、当選金を現金で受け取っていた。捜査関係者によると、吉田さんの銀行口座などには入金の記録はなく、現金の行方もわからないという。
吉田さんは当時、1人暮らしで、失跡直後に肉親から捜索願が出ていた。捜査関係者らによると07年2月、熊谷容疑者が住んでいた陸前高田市の一軒家で、吉田さんの預金通帳や印鑑、身の回り品やタンスなどの家財道具が見つかり、家主が県警に届けていた。
県警は、今月21日から熊谷容疑者を任意で事情聴取。22日になって吉田さんを殺害し、遺体を埋めたことを認めた。熊谷容疑者の供述通り、この一軒家に隣接する倉庫の敷地に埋められていた吉田さんの遺体を発見した。熊谷容疑者は05年6月、一軒家に引っ越してきて、06年8月に家主に行き先を告げないまま、所在不明となっていた。
熊谷容疑者は、2005年頃まで陸前高田市や住田町で電子部品を組み立てる工場を経営。吉田さんが05年初めまで勤めていた一関市の会社の下請けをしており、会社にも出入りしていたという。
熊谷容疑者の知人によると、2人は一時交際していたという。
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