暴言3連発の中山成彬前国交相が次期衆院選への出馬を見送った宮崎1区。マスコミにおだてられた東国原県知事(51)が出馬に色気を見せていたが、さすがに地元でも「国政転出」には批判が強く、6日午前、出馬を断念したようだ。解散が延びそうだから、いったん身を引くという見方も残っている。それにしても、こんなお笑い芸人崩れのカン違い男が国会議員をめざすまでになっているのだから日本の政治もオシマイだ。
●ここまでツケ上がらせたテレビと宮崎県民はどうしようもない
「あれだけ毎日のようにテレビに出てチヤホヤされているうちに、のぼせ上がってしまったのでしょう。自分の人気があれば自民党も救えるし、舛添のように軽く大臣くらいにはなれると思い込んでいるのと違いますか」
野党関係者は、「東国原知事、出馬」の報道にこう答えた。まったく、どうしようもない男だ。一体、自分が何様で、何をやってきたのか、分かっているのだろうか。暴行事件や16歳少女淫行騒動を忘れたかのように、「宮崎をどげんかせんといかん」とか言って当選したのが1年半前。その時も女子アナなどオンナの影は絶えなかったが、テレビが甘いものだから、十把ひとからげだったたけし軍団時代以上にワイドショーに出まくり、もみ手をし、コビを売ってきた。が、やっていることは、物産のPR役。知事というよりも、観光推進課長だ。県政はそっちのけだから公約に掲げた企業誘致はちっとも進まず、陰では不況に喘ぐ地場企業がバタバタと倒産している。そうした手当ては知らんぷりで、今度は議員バッジに目がくらみ、1期も全うせずに知事職を投げ出そうとした。調子だけいい無責任男、イカサマ野郎というしかない。
「地方自治をやりたいと政界転身したはずなのに、たった1年半で放り投げとは有権者をバカにするにもホドがあります」
政治評論家の有馬晴海氏はこう怒ったが、当然だ。
「知事選では、汚職県政にウンザリの無党派層を抱き込んで自公候補を破ったが、立ち位置はハナから自民党寄りだった。副知事人選でモメると、専大OBの松浪健四郎や馳浩の元に駆け込んで、総務省への渡りをつけてもらっています。2〜3カ月前には出身地の宮崎3区からの出馬説が浮上していたくらいだから、当初から国政進出のタイミングをうかがっていたのでしょう。踏み台にされる宮崎県民は今度こそ目を覚ますべきです」
テレビも有権者もバカで痴呆くらいにしか思っていないから、知事のイスは商売道具のひとつとしか考えず、次のステップの国政に色気をもつ。とことんナメられたものだ。
東国原をここまでツケ上がらせてしまったのはそもそも知事にしたことが間違いだったのだ。日頃の言動を目にすればイヤでも本性が透けて見えるはずなのに、宮崎県人の支持率はいまだに9割近いというから、カン違いされてしまうのだ。
中山成彬は日教組が強い隣の大分県民をバカにしていたが、宮崎県こそ「痴呆集団」として笑われている。そうじゃないというなら、こんなイカサマ男を知事からサッサと追放することだ。
(日刊ゲンダイ2008年10月6日掲載)