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【長野】

リニア3ルートに各首長思いさまざま 知事「自然環境が大事」

2008年10月22日

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 リニア中央新幹線構想は、JR東海が21日に3ルートで建設可能とした報告書案を提示し、実現に向けて一歩前進した。ただ、南アルプス北側を迂回(うかい)するBルートを強く要望してきた県と、南アを貫通するCルートを想定するJRの意見調整はこれからようやく始まる。県内には地元への説明を後回しにしたJRへの不満に加え地域間で温度差もあり、難航が予想される。

 JR側は年内にも国土交通省から残りの調査の指示を受け、地元と調整に入る。村井仁知事は「当然そういう手続きで進むものだと思っていた」と冷静に受け止めた。ルートに関して「何より大事なのは自然環境をどれだけ大事にしていくかではないか」と指摘。「地域振興は当然で、便益と甘受すべき苦痛とのバランスが大切。地元が受容できるようなプロジェクトであってほしい」と求めた。

 Cルートになれば取り残される諏訪市の山田勝文市長は、これまでのJRの動きに「不愉快な思いをしてきた」と吐露。「リニアは交通体系の国家戦略。新幹線の代替として大都市を結ぶだけでなく、地方の可能性を引き出さなくてはならない」と訴え、「バラバラに動くとJRの思うつぼ」と県に指導力を期待する。

 伊那市の小坂樫男市長は、Bルートが「県内の南北格差解消になる」と主張。松本市の菅谷昭市長も「JRの言い分も分かるが、地域のことを考えてほしい」と注文をつける。

 一方、B、Cいずれのルートでも沿線となる飯田市。牧野光朗市長は「実現に向けた動きが一層加速してきたものと受け止めている」と歓迎しつつ、ほかの地域への配慮もあり、「引き続き期成同盟会の一員として関係機関との連携を取りながら、要請活動を粛々と進めていきたい」とコメントした。

 

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