佐沼病院72減228床に 新館建設は先送り市立病院の再編計画を進めている宮城県登米市が21日、同市迫町の佐沼病院の病床数を2011年度、現在の300床から228床に減らす方針を固めた。老朽化した病棟に代わる北館建設構想は見直し、当面は南館の改修で対応する。1974年建築で耐震基準を満たさない南館(現在86床)は約7億7000万円かけて耐震補強整備し、脳卒中患者らの機能回復を図る回復期リハビリテーション病棟(60床)へと転換する。 今年9月1日までに南館の一部(46床)が使用できなくなっており、合わせて病床数は72減ることになる。 市医療局は「医師不足や施設老朽化のため現在は254床で運営している。平均入院患者数も220人を超えていないため、病床を減らしても対応は可能だ」と話している。 市は当初、一般病床や救急センターなどが入る北館を約13億5000万円かけて建設する計画だったが、病院事業全体で累積赤字が87億円(07年度)にも上ることから先送りした。 病院再編計画では今年4月、登米病院が無床化され登米診療所となった。11年4月には米谷(49床)、よねやま(53床)両病院を無床化する方針。病床が減った受け皿として、介護老人保健施設、高齢者専用住宅や24時間対応の在宅療養支援診療所などを新設し、福祉と連携した地域包括医療体制の構築を目指す。 市は同日開かれた市議会の医療再編調査特別委員会で計画案を説明。委員からは「経営再建計画も示してほしい」「市民が理解を深める機会を設けるべきだ」などの意見が出された。 11月中に市民説明会を開き、理解を求めていく予定。年内には国が各自治体に本年度中の策定を義務付けた公立病院改革プランを提出する。
2008年10月22日水曜日
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