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民間研究を埋没させるな!東京湾の群発地震で

民間研究を埋没させるな!東京湾の群発地震で
5月25日夕刻、杉並区内で観測された地震雲
【PJ 2005年06月02日】− 1日夜、東京湾を震源地とするマグニチュード(M)3.3からM4.2の群発地震が発生し、20時44分に発生した3回目の地震では大田区などで最大で震度3の揺れを記録した(気象庁地震火山部発表)。はじめの地震は19時06分(M3.9)、続いて19時40分に2回目の地震が発生し(M3.7)、一番規模の大きかった3回目の地震(M4.2)に続いて、22時02分にM3.3の4回目の地震が、さらに日が変わって6月2日の1時10分にはM3.1の地震が発生した。震源はいずれも東京湾で、震源の深さは40kmから50kmであった。

 関東圏での地震は実は5月30日ごろから頻発しており、30日早朝の7時34分に千葉県北東部でM4.6、同日夕方の18時28分には八丈島近海でM4.3、続いて20時18分にもM5.3とやや大きな地震が八丈島近海で発生した。翌日の31日の夕方17時40分には東京近傍の三宅島近海でM2.0の地震が発生し、日が変わって6月1日の日中10時01分には再び千葉県北東部でM3.9の地震が起きていた。

 ところで、今回の東京湾を震源とする南関東圏の地震の発生を予想していた民間の地震研究機関があった。串田嘉男氏を代表とする「八ヶ岳南麓天文台」という私設天文台で、WEB上で一部の情報を一般公開している。串田氏の説明によると、正確には同天文台が公表しているのは「地震予知情報」ではなく、「地震活動の前兆と認識される変動観測」の「実験観測情報」であるとし、あくまでも研究の途上にあることを明記した上で情報の一部を公開している。

 ここで言う地震の前兆というのはFM放送電波の伝播異常のことで、これが地殻活動と相関していることを串田氏らがつき止めた。1995年から本格的な研究を推し進めており、兵庫県南部地震後には論文発表も行っているが、これが地震前兆であることを証明するには、地震発生前に「時期、場所、規模」の3要素を指摘しなければならないとの専門家からの指摘を受けているとのことだ。

 10年来の研究過程の中で、特に広く一般に公開すべき重要な情報と判断された場合にのみWEB上での公開に踏み切っているが、このような一般公開はこれまで通算で3回行われている。ここで注目されるべきことは前記の地震予知の3要素のうち、時期および場所に関してはほぼ正確に予想できる段階に達しているという事実である。

 2004年9月20日に千葉県東方沖で発生したM5.7の地震に関して言えば、9月16−17日±2日に関東圏でM7.2±0.5と予想していたし、今年の4月11日に千葉北東部で起きたM6.1の地震についても4月13日±5日に関東圏でM6.5±0.5と予想、そして今回の東京湾を震源とする地震についても推定時期5月27日±4日(5月23日-6月1日)、推定領域南関東圏、推定規模M7.2±0.5もしくはM6.3±0.5と予想しており、少なくとも時期と場所がほぼ推定と一致していることは驚嘆に値する。

 これを偶然の一致である可能性が否定できないとする地震学の専門家としての立場は理解できなくはないが、偶然このような一致のおこる確立はいったいどのくらいの数値になるかというと、もちろん天文学的数字になるであろうことは容易に予想できる。

 かれらの抱えている問題は山積で、一般公開による影響の大きさ、特にメール媒体を利用した事実を歪曲した誤情報の氾濫、苦情が後をたたず、とうとう同天文台はWEBによる一般公開を6月末日を持って閉鎖すると発表した。かれらはこれまで行ってきた「地震前兆検知の公開実験」を通して、多くの研究者がこの研究に参加してくれるようになること、観測研究費が得られることに微かな期待を寄せ、「個人の判断や責任を超えた社会全体としての理解や協力、国や行政の権限での対応策」などのバックアップを羨望しつつ、10年間の間、1日も欠かさずに観測を続けてきたという。少ないスタッフと最低限の観測地でよくここまでの成果を挙げられたものとその困難さを推測して余りある。

 このような地道な民間研究の成果を埋もれさせてはいけない。今こそ、この研究に国費を投入し、多くの研究者が共同分担してこの研究を推し進める段階に来ているものと思われる。最後に「大規模な地震を予知してしまうことへの恐れ」を唱える向きがあることについて、すなわち東京の人間がすべて東京から事前に避難することは不可能なのだから、事前の予知公表はパニックを引き起こすだけという議論があるのだが、これは大変な間違いであることを指摘しておきたい。

 何万人もの人が震災で命を落とす危険があるのなら、大損害は覚悟で前代未聞の大避難も考えなければいけないはずだ。もし「1週間後にあなたの居住地区にM8以上の地震が発生することが確実だとしたら、あなたは十分安全な遠いところまで避難しますか。避難したいですか。避難できますか?」決して少なくない数の人々の答えがイエスなのではなかろうか。自分の命がかかっているのだから。【了】
 

※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 和田 牧夫【 東京都 】
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