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この特集では、浅田真央選手、安藤美姫選手をはじめとする注目選手の活躍や最新情報など、フィギュアスケートにまつわる様々なレポートを写真とともにお届けします。
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2008年10月21日
アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(3)[アイスダンス特集vol.5]
ベン 僕らにとってグランプリシリーズは、試合を楽しむにはまだシーズンの初めすぎるね。まだきっと、新しいプログラムをこなすことに精一杯なんだ。滑るごとにプログラムの完成度を高めたり、自信をつけていったり……そんな試合。ジャッジから評価をもらうことで、何をもっと練習しなきゃいけないのか分かるし、世界選手権に向けてのとても重要なステップにもなる。そういえば僕らは、NHK杯に来たことはないな。すごく出たいんだけれど……。 タニス 確か来シーズン、オリンピックイヤーはグランプリシリーズの日程が変わるんじゃないかしら。そしたらNHK杯に来られるかも(09年グランプリシリーズは、フランス→ロシア→中国→日本→アメリカ→カナダの順に開催となる)。いつもはファイナル直前にあるから、なかなか出られなかったの。スケートアメリカの直後にあるカナダも、スケジュールの都合で出にくいし……。来年はぜひ、日本に来たいわね! ――今年は第1戦のスケートアメリカの他に、3戦目の中国杯にエントリー。中国杯は4回目の出場ですね。 タニス 中国杯のように同じ大会に何度も出ていると、私たちのファンも増えて、出場を待っていてくれるのがうれしいわ。日本でのNHK杯には出たことがないから、日本の人たちは私たちのことをあまり知らないかもしれない……。でも中国は毎年のように出ているから、たくさんのファンがいて、去年の写真を持って会いにきてくれたり、サインを待っていたりするの。日本でもそうなればいいなあ。 ――では来シーズンはぜひ、NHK杯へ。しかし来年といえばもうオリンピックシーズン、そして開催地はカナダですね。 ベン ぐるっと円を描いたようだよね。キャリアの初めと終わりがバンクーバーだなんて! タニス ほんとうに。それにね、カナダ人はウィンタースポーツ、特にスケートが大好きなの。だからすばらしいお客さんたちと過ごすオリンピックになると思うわ。 ――現役最後の場所に、やっぱりなってしまいそうですか? ――タニスにとっては母国でのオリンピック、ということになりますね。 ――地元五輪のバンクーバーで最後、は残念ですが、その後はショースケーターとして、また日本に来てくれますか? ――新しい世界、それはたとえば、芸能界だったりメディアの仕事であったりもしますか? ベン 世の中にはスケート以外にもたくさん生きていく世界があるからね。僕たちはこれまでスケート人生だけを送ってきたから……もっと他の世界も見なければいけないと思うんだ。 ユーモアを交えながらも、様々なことについて冷静な言葉で語る二人が印象的だった。「自分たちには新鮮味がない」という、とても冷徹で客観的な視線。アメリカのスケートブーム衰退に関する鋭い分析。「スケートとは全く違う世界に行きたい」という、潔いほどの未練のなさ。 photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami *アイスダンス特集、次回は日本のジュニアダンサーインタビューを予定しています
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2008年10月21日
アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.4]――二人の今年の挑戦が楽しみ。アメリカではダンスだけでなく、男女のシングルでもペアでも、優秀な選手がたくさんいます。皆さんの活躍で、またフィギュアスケート人気が盛り上がるといいですね。 ベン 人気スポーツになるための大事な要素として、「ファンが一人の選手を追っていく楽しみ」ってこともあげられると思うんだ。昔はひとりのスケーターが何年にも渡ってチャンピオンの座にいたから、選手のキャリアを追っていく楽しみがあったでしょう? 「お! ミッシェル・クワン!!」って感じにね。でも今は競技の内容がどんどん難しくなってきて、選手がケガをすることも多いし、どんどん新しいスケーターに入れ替わっていく……。もし同じ選手が長くトップにい続けることができれば、また人気は上がると思うよ。 タニス そうそう。例えば女子シングルの選手は、たいていオリンピックチャンピオンになると選手をやめちゃうでしょう? そうなると、メディアの興味もすぐに薄れてしまう。だから今後は私たちが、長年にわたって活躍できるような選手になれたらいいなあ。そしたら十年後くらいに、「あら、この子たち知ってるわ!」ってことになるでしょ。がんばるわ! ――なるほど。またこうした流れの中、シングルが人気のアメリカで、アイスダンスという種目に大きな注目を集めさせたのはおふたりだと思うのですが……。改めてペアやシングルではなく、ダンスを選んだ経緯を聞いてもいいですか? 日本でアイスダンスを始めようと考えている選手たちに向けても。 タニス 私はシングルもやったし、ペアもやったの。で、最後に落ち着いたのがアイスダンス。全部トライしたから、アイスダンスが一番好きだって堂々といえるのがいいわよね(笑)。ベンと組んだのは、ソロのダンサーとしてイゴール(前コーチ、イゴール・シュピルバンド)に習うために、デトロイトに行ったのがきっかけ。そこでイゴールが以前ベンを教えた経験があって、私のために連れてきてくれたの。ほんとにイゴールにはいいパートナーを紹介してもらえたな、って思うわ。 ベン 僕はそのころシカゴに住んでいたんだ。で、イゴールが僕の当時のコーチに、「ある女の子と試しに滑らせてみないか」って。それがタニスだったんだ。テストで滑ってみた一週間後には、ふたりそろってデトロイトに引越したよ。 タニス アイスダンスを選んだ私たちは、アスリートというよりパフォーマーなんだと思う。もちろんフィギュアスケートはスポーツだから、両方の素質が同じくらいあるべきだけれど、ダンスはシングルやペアよりも演劇的。だからふたりの性格にはもってこいなの。ストーリ性のあるプログラムもできるし、衣装や演じるキャラクターでも遊べる。それがとっても楽しいわ。 ――ふたりはきょうだいでもなければ、恋人同士でもありませんよね。アイスダンスではそういったカップルも多いようですが。 text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami
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2008年10月21日
アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(1)[アイスダンス特集vol.3]
――日本のアイスショーでふたりを見られる機会はめったにありません。来日してくれて、日本のファンも喜んでいますよ。 タニス 残念なことにアメリカでは、スケート人気はちょっと低迷しているの。でも日本は全く逆ね。だから今、この国でで滑ることはエクサイティングだし、たくさんの拍手に迎えられると、スケーターである自分に大きな誇りをもてるわ。お客さんたちもスケートをすごく大事に思ってくれている。これはすばらしいことだわ。 ――そんな日本のファンもちょっと心配しているのが、今シーズンコーチを変えられたことです。まだ一緒に練習を始めて日は浅いと思いますが、現在の感触はどうですか? タニス 昨シーズンの私達は……今後のキャリアについて、どうしていいのか分からない状態だったの。だからキャリア形成を助けてくれるコーチが絶対に必要だった。チャンピオンになるための方向性を示してくれるコーチ、がね。デトロイトでついていたコーチは、私達がどこへ向かっているのか分からなかったかもしれない。でも今のコーチは、チャンピオンになるためにはどんな曲で、どんなプログラムを滑るべきなのか、はっきりと示してくれた。だから今年は、自信も戻ったわ。 ――トレーニング地も、慣れ親しんだデトロイトからフィラデルフィアへと移りましたね。 タニス 私は大都市に近いのも嬉しいわ。デトロイトではアートや文化的なものにふれる機会があまりなかったの。ダンスや芸術に触れたくてもなかなかできなくて……。でもフィラデルフィアは美しい街だし、ニューヨークやボストンにも近いし、ダンサーもいい振付師もたくさんいる。私達にはもってこいの場所ね。 ――今シーズンはリニチュク&カルポノソフコーチの元に、もう一組アイスダンスのトップカップルが移ってきましたね。ロシアのオクサナ・ドムニナ&マキシム・シャバリン組。世界のトップを競うダンサーと、奇しくも一緒に練習することになりましたが。 ――リンクメイトのドムニナ&シャバリン組、コーチのカルポノソフ夫妻、また以前のコーチのズウェア&シュピルバンド……。ふたりのまわりには実にたくさんのロシア人がいますね タニス ロシアのフィギュアスケートは、歴史的に見てもすごく強いし、他の国とは違う、特別な存在感があるわよね。ロシア政府はスケート選手にしっかりとした資金援助をしているし……。偉大で、尊敬されるスポーツとして扱われている。スケーターやスケートコーチも、誇れる職業として捉えられているし。またロシアでは、コーチになるために大学で勉強をするし、スケートをしていることも大学で学んでいることと同じように認めてくれる。アメリカでは、そうはいかないわ……。同じ年代のコーチをアメリカとロシアで比較したら、ロシアのコーチの方がより深いスケートのバックグラウンドと知識を持っているの。でも近いうちに、アメリカのコーチも追いつくと思う! 私たちには経験が必要なだけ。ロシアのコーチもアメリカのコーチも、今はいい関係でお互い学びあっているしね。 ――そんなコーチとともに、今シーズンはどんな目標を立て、どんなスケートを私たちに見せてくれますか? タニス これはプラスにもマイナスにもなる要素だけれど……私たち、もう10年も一緒に滑っているの。シニアに上がってからはもう、7年かな。だからたくさんの経験をしているし、ダンサーとして成熟もしているけれど、新鮮味がないの。新しく出てきた若いカップルたちには、それがあるでしょう? だから私たちも、今まで誰も見たことのない新鮮なカップルになる、そのための方法を見つけなきゃ、と思った。そのためにコーチを移ったし、そのための準備を今、しているところ。 photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami
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2008年10月21日
2008 ジュニアスケーター・オブ・ザ・イヤー 推薦コメント
2位 佐々木彰生(男子シングル 武相高校) 46ポイント 3位 レイチェル・フラット(女子シングル アメリカ) 42ポイント 4位 水津瑠美(女子シングル 駒場学園高校) 35ポイント 5位 アダム・リッポン(男子シングル アメリカ) 26ポイント 6位 西野友毬(女子シングル 日本橋女学館) 12ポイント ジュニアへの投票数は毎年それほど多くありませんが、やはり参加してくださるのはかなりのフィギュアスケートファンの皆さん。今年も全日本ジュニア、ジュニアグランプリファイナル、全中、インターハイ、世界ジュニアなどなど、ジュニアの活躍の場は続きます。次々登場する新星たちのおかげで、来年のジュニア・スケーター・オブ・ザ・イヤーの結果も今から楽しみ。若い彼らへの引き続きの応援をよろしくお願いいたします。 photo/Sunao Noto *写真は08年6月、ドリームオンアイスでの佐々木彰生選手
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2008年10月20日
アイスダンス・イギリス代表 シニード・カー&ジョン・カー組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.2]
――スケートアメリカは3回目のチャレンジ、フランスには初めての出場ですね。どちらが楽しみ? ――ファイナルは韓国。日本のファンもたくさん見に行くと思います。ところでジョンは今回、ちょっと変わった相手とのダンスを見せてくれましたね。日本の小塚崇彦選手! ――見ごたえたっぷりの「俺達フィギュアスケーター」でした。練習時間も短いなか、リフトまであって大変だったのでは? 彼らのダンスそのままに、底抜けに明るいキャラクターのシニード&ジョン。ペアやアイスダンスの選手へのインタビューの場合、男女のどちらかが率先して応え、片方は促されてやっと話をしてくれる、というふたりが多い。しかし彼らふたりは、一つの質問に二人で競うように答えてくれたのが面白かった。きょうだいということで体型も似ているが、性格もまた、よく似ているようだ。 photo/Sunao Noto text/Hirono Aoshima
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