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フィギュアスケート特集

アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(3)[アイスダンス特集vol.5]

B6afoi18 ――長い時間をともにしてきたふたりが、今年はどんなスケートを見せてくれるのか……。シーズンの始まりは、グランプリシリーズからですね。
タニス 毎年グランプリシリーズの頃は、プログラムもまだ滑り込んでいないし、発展途上なのよね……。

ベン 僕らにとってグランプリシリーズは、試合を楽しむにはまだシーズンの初めすぎるね。まだきっと、新しいプログラムをこなすことに精一杯なんだ。滑るごとにプログラムの完成度を高めたり、自信をつけていったり……そんな試合。ジャッジから評価をもらうことで、何をもっと練習しなきゃいけないのか分かるし、世界選手権に向けてのとても重要なステップにもなる。そういえば僕らは、NHK杯に来たことはないな。すごく出たいんだけれど……。

タニス 確か来シーズン、オリンピックイヤーはグランプリシリーズの日程が変わるんじゃないかしら。そしたらNHK杯に来られるかも(09年グランプリシリーズは、フランス→ロシア→中国→日本→アメリカ→カナダの順に開催となる)。いつもはファイナル直前にあるから、なかなか出られなかったの。スケートアメリカの直後にあるカナダも、スケジュールの都合で出にくいし……。来年はぜひ、日本に来たいわね!

――今年は第1戦のスケートアメリカの他に、3戦目の中国杯にエントリー。中国杯は4回目の出場ですね。
ベン 何度も行ったけれど、中国杯はいい大会だよ! 中国からもいいスケーターが出場するし、スケート人気も高まってきてる。特に今年は北京オリンピックの後だから、スポーツに対しての人々の興味も高いと思うんだ。逆にみんながスポーツに飽き飽きしてないといいけれど(笑)。僕たちはすごく楽しみにしているよ。

タニス 中国杯のように同じ大会に何度も出ていると、私たちのファンも増えて、出場を待っていてくれるのがうれしいわ。日本でのNHK杯には出たことがないから、日本の人たちは私たちのことをあまり知らないかもしれない……。でも中国は毎年のように出ているから、たくさんのファンがいて、去年の写真を持って会いにきてくれたり、サインを待っていたりするの。日本でもそうなればいいなあ。

――では来シーズンはぜひ、NHK杯へ。しかし来年といえばもうオリンピックシーズン、そして開催地はカナダですね。
タニス すごく楽しみ。私の家族も観にこられるし! バンクーバーは私たちが組んで初めての世界選手権(01年、17位)があった場所だし、きっとこれが現役最後の場所にもなるわ。私たちのスケート人生にとって、とても大事な場所。

ベン ぐるっと円を描いたようだよね。キャリアの初めと終わりがバンクーバーだなんて!

タニス ほんとうに。それにね、カナダ人はウィンタースポーツ、特にスケートが大好きなの。だからすばらしいお客さんたちと過ごすオリンピックになると思うわ。

――現役最後の場所に、やっぱりなってしまいそうですか?
タニス きっとバンクーバーオリンピックが最後ね。もしその後続けるとしても……ロシア(ソチオリンピック)まで行かないってことは確か(笑)。

――タニスにとっては母国でのオリンピック、ということになりますね。
タニス そうね。私たちも、アメリカ人とカナダ人のカップルというより、「北米カップル」だと思っているから、バンクーバーは地元。きっとすばらしい大会になると思うわ。私はまだ、カナダの市民権ももっているし……。理解できない人もいるかもしれないけど、私はアメリカ代表のフィギュアスケーターとなったけれど、カナダ人なのよ。いつだってカナダは私の故郷。アメリカのスケーターになれて嬉しいけれど、カナダ人でもあるの。カナダ人であり、アメリカ人。

――地元五輪のバンクーバーで最後、は残念ですが、その後はショースケーターとして、また日本に来てくれますか?
タニス そうね、引退後すぐは、数年ショーをするつもり。でもその後はふたりともスケートをやめて、違う仕事を探すの。コーチもしないわ。チャンスをいかして、スケートとは全く関係のない世界に行かないと! スケートを続けることは、簡単なのよ。だって私たち、今までずっとスケート、スケート、スケート……だったでしょう。もう、滑ることしか知らないの(笑)。だから辞めることはとても勇気がいること。でも二人とも、新しいチャレンジをしてみたいの。長くても2年たったらショーも辞めるつもり。

――新しい世界、それはたとえば、芸能界だったりメディアの仕事であったりもしますか?
タニス そうね、キャスターにも興味はあるわ。でもスケートの、ではなく、一般のニュースやエンターテイメントなどのね。どうなるか分からないけれど、いろいろなことにトライしてみるつもり。オリンピックに出れば、メディアの注目も高まっていろいろな仕事が来るかもしれないし……。もしそうならなければ、私は学校に行くわ。大学で勉強したいこともたくさんあるから!

ベン 世の中にはスケート以外にもたくさん生きていく世界があるからね。僕たちはこれまでスケート人生だけを送ってきたから……もっと他の世界も見なければいけないと思うんだ。

 ユーモアを交えながらも、様々なことについて冷静な言葉で語る二人が印象的だった。「自分たちには新鮮味がない」という、とても冷徹で客観的な視線。アメリカのスケートブーム衰退に関する鋭い分析。「スケートとは全く違う世界に行きたい」という、潔いほどの未練のなさ。
 こんなふたりが、氷の上ではあれほど明るくはじけた姿を見せてくれるのだから、アイスダンスは奥が深い。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami
*写真は(1)(3)ともフレンズ・オン・アイス2008での演技

*アイスダンス特集、次回は日本のジュニアダンサーインタビューを予定しています 


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アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.4]

――二人の今年の挑戦が楽しみ。アメリカではダンスだけでなく、男女のシングルでもペアでも、優秀な選手がたくさんいます。皆さんの活躍で、またフィギュアスケート人気が盛り上がるといいですね。
タニス そうね、でもどんなエンターテイメントにも、浮き沈みはあるわ。フィギュアスケートは長い間人気があったから……。ジャッジシステムも変わってしまって、誰もルールを理解できないようになってしまった。アメリカ人にとって、劇的に変化、崩壊といってもいいほど変化してしまったスケートを、真のスポーツとして見ることが難しくなったのよ。みんなが新しいジャッジシステムや新しいスケーターを理解していくのに、もう少し時間が必要なんだと思うわ。メディアにしても、新しいスケーターたちのキャラクターを捉えるのが難しいのだと思う。スケーターは他のスポーツの選手に比べて礼儀正しいし、あまり場違いな発言もしない。だからメディアも、センセーショナルに取り上げにくいのよ(笑)。でもオリンピックイヤーになれば、もっとスケーターのキャラクターも見えてくるだろうし、人気も上がっていくと思う。アメリカのスケート界も、新しい道を進んでいるしね。とにかく今は、時間が必要なの……。

ベン 人気スポーツになるための大事な要素として、「ファンが一人の選手を追っていく楽しみ」ってこともあげられると思うんだ。昔はひとりのスケーターが何年にも渡ってチャンピオンの座にいたから、選手のキャリアを追っていく楽しみがあったでしょう? 「お! ミッシェル・クワン!!」って感じにね。でも今は競技の内容がどんどん難しくなってきて、選手がケガをすることも多いし、どんどん新しいスケーターに入れ替わっていく……。もし同じ選手が長くトップにい続けることができれば、また人気は上がると思うよ。

タニス そうそう。例えば女子シングルの選手は、たいていオリンピックチャンピオンになると選手をやめちゃうでしょう? そうなると、メディアの興味もすぐに薄れてしまう。だから今後は私たちが、長年にわたって活躍できるような選手になれたらいいなあ。そしたら十年後くらいに、「あら、この子たち知ってるわ!」ってことになるでしょ。がんばるわ!

――なるほど。またこうした流れの中、シングルが人気のアメリカで、アイスダンスという種目に大きな注目を集めさせたのはおふたりだと思うのですが……。改めてペアやシングルではなく、ダンスを選んだ経緯を聞いてもいいですか? 日本でアイスダンスを始めようと考えている選手たちに向けても。
ベン そうだね、僕も小さい頃はシングルスケーターだったんだ。でもそのころ、けっこう太ってて(笑)、ジャンプも得意じゃなかった。でもある日、パートナーといっしょに滑ったときに、とても違う感じがしたんだ。ひとりじゃないことは新鮮だったし、ふたりの方がもっと創造性に富む演技ができると思ったし……。それにふたりだと、試合でもそんなに緊張しなくてすむでしょう? パートナーが僕の分まで緊張してくれるから!

タニス 私はシングルもやったし、ペアもやったの。で、最後に落ち着いたのがアイスダンス。全部トライしたから、アイスダンスが一番好きだって堂々といえるのがいいわよね(笑)。ベンと組んだのは、ソロのダンサーとしてイゴール(前コーチ、イゴール・シュピルバンド)に習うために、デトロイトに行ったのがきっかけ。そこでイゴールが以前ベンを教えた経験があって、私のために連れてきてくれたの。ほんとにイゴールにはいいパートナーを紹介してもらえたな、って思うわ。

ベン 僕はそのころシカゴに住んでいたんだ。で、イゴールが僕の当時のコーチに、「ある女の子と試しに滑らせてみないか」って。それがタニスだったんだ。テストで滑ってみた一週間後には、ふたりそろってデトロイトに引越したよ。

タニス アイスダンスを選んだ私たちは、アスリートというよりパフォーマーなんだと思う。もちろんフィギュアスケートはスポーツだから、両方の素質が同じくらいあるべきだけれど、ダンスはシングルやペアよりも演劇的。だからふたりの性格にはもってこいなの。ストーリ性のあるプログラムもできるし、衣装や演じるキャラクターでも遊べる。それがとっても楽しいわ。

――ふたりはきょうだいでもなければ、恋人同士でもありませんよね。アイスダンスではそういったカップルも多いようですが。
タニス 私たちの場合、かえってそれが上手くいってるんだと思うの。結婚してたり、恋人同士だったりするカップルは、問題があることも多いから。だっていつも一緒にいなければならないし、愛する人と一緒に「仕事」をするのは難しいこと……。私たちにはそろぞれ支えてくれる家族がいて、そしてフレンドシップもある。だからいろいろな障害を、ともに乗り越えていけるの。

text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami


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アイスダンス・アメリカ代表 タニス・ベルビン&ベンジャミン・アゴスト組インタビュー(1)[アイスダンス特集vol.3]

Bafoi0121_noto02  グランプリシリーズ第1戦、スケートアメリカ開幕直前! 
 アイスダンスでこの大会5度目の優勝を狙うベルビン&アゴスト組が7月に来日。「フレンズ・オン・アイス2008」に出演し、全米チャンピオンらしい貫禄と、ショーマンとしての華やかさを見せてくれた。しかし今シーズンは彼らにとって、大きな転機となるシーズン。長年師事してきたコーチと袂をわかち、新コーチ、リニチュク&カルポノソフの元でトレーニングを始めたのだ。
 この決断は、オリンピック銀メダリストの滑りに、どんな影響を与えるだろうか?

――日本のアイスショーでふたりを見られる機会はめったにありません。来日してくれて、日本のファンも喜んでいますよ。
ベン ほんとに、僕らが日本で滑る機会はあまりないんだよね。こうして来られて、僕らもうれしいよ。日本のお客さんはほんとにスケートが好きだし、ショーでの反応もいいし、スケートの知識も豊富!

タニス 残念なことにアメリカでは、スケート人気はちょっと低迷しているの。でも日本は全く逆ね。だから今、この国でで滑ることはエクサイティングだし、たくさんの拍手に迎えられると、スケーターである自分に大きな誇りをもてるわ。お客さんたちもスケートをすごく大事に思ってくれている。これはすばらしいことだわ。

――そんな日本のファンもちょっと心配しているのが、今シーズンコーチを変えられたことです。まだ一緒に練習を始めて日は浅いと思いますが、現在の感触はどうですか?
ベン ナタリアとゲンナジー(ナタリア・リニチュク&ゲンナジー・カルポノソフコーチ。レイクプラシット五輪金メダリスト。コーチとしてはグリシュク&プラトフ組、渡辺心&木戸章之組などを育成)はすばらしいコーチだよ。彼らに教わることができてとてもハッピーだ。長年にわたって世界チャンピオンやオリンピックチャンピオンを育ててきたから経験豊富だし、僕らに何が必要でどの方向に進んでいけばいいかを、きちんと示してくれる。

タニス 昨シーズンの私達は……今後のキャリアについて、どうしていいのか分からない状態だったの。だからキャリア形成を助けてくれるコーチが絶対に必要だった。チャンピオンになるための方向性を示してくれるコーチ、がね。デトロイトでついていたコーチは、私達がどこへ向かっているのか分からなかったかもしれない。でも今のコーチは、チャンピオンになるためにはどんな曲で、どんなプログラムを滑るべきなのか、はっきりと示してくれた。だから今年は、自信も戻ったわ。

――トレーニング地も、慣れ親しんだデトロイトからフィラデルフィアへと移りましたね。
ベン そう、フィラデルフィアはアメリカ発祥の地ともいえる歴史的な土地だし、とてもスペシャルな街だと思うよ。活気があって文化的だし、すごく住みやすい。また、僕らが今トレーニングをしている「アイスワークス」という新しいリンクもとてもすばらしい施設で、4つものリンクがあるんだ。スケーターはみんな練習時間がたっぷりとれるし、まわりにはすばらしい人たちもたくさんいるんだよ。

タニス 私は大都市に近いのも嬉しいわ。デトロイトではアートや文化的なものにふれる機会があまりなかったの。ダンスや芸術に触れたくてもなかなかできなくて……。でもフィラデルフィアは美しい街だし、ニューヨークやボストンにも近いし、ダンサーもいい振付師もたくさんいる。私達にはもってこいの場所ね。

――今シーズンはリニチュク&カルポノソフコーチの元に、もう一組アイスダンスのトップカップルが移ってきましたね。ロシアのオクサナ・ドムニナ&マキシム・シャバリン組。世界のトップを競うダンサーと、奇しくも一緒に練習することになりましたが。
タニス そうね……でも私たちはこれまでも、他のトップスケーターと一緒にトレーニングしたことがあるし。ライバルと一緒に練習することは、問題ないわ。オクサナたちとは親しいし、小さいころから知ってるし、同じリンクで一緒にスケートすることがどんな感じかもだいたい分かってる。もちろん難しい部分もあるけれど、トップレベルの選手が同じリンクにいれば、自分達がトップになるにはあとどれだけのことをするべきか、教えてくれるわ。長く続く練習はバイクレースみたいなもので、目の前に誰もいなかったら、がんばって進んで行こうって気にならない。だからオクサナたちががいることは、ポジティブに受けとめているの。それよりも忘れちゃいけないのは、彼ら以外にもライバルはたくさんいるってこと。オクサナたちだけを意識していると、彼らには勝てるかもしれないけど、他のカップルには負けちゃうかも、でしょ!

――リンクメイトのドムニナ&シャバリン組、コーチのカルポノソフ夫妻、また以前のコーチのズウェア&シュピルバンド……。ふたりのまわりには実にたくさんのロシア人がいますね
ベン ロシアはアイスダンスの原点だからね。ロシアのスタイルこそアイスダンスのスタンダードだと思う。僕たちはそのロシアンスタイルをよく知っていて、経験豊かなコーチが僕たちの目標に向かって指導してくれるなんて、ほんとにラッキーだよ。コーチのすばらしい知識を僕たちのスタイルと融合していくことで、より強い選手になれると思う。

タニス ロシアのフィギュアスケートは、歴史的に見てもすごく強いし、他の国とは違う、特別な存在感があるわよね。ロシア政府はスケート選手にしっかりとした資金援助をしているし……。偉大で、尊敬されるスポーツとして扱われている。スケーターやスケートコーチも、誇れる職業として捉えられているし。またロシアでは、コーチになるために大学で勉強をするし、スケートをしていることも大学で学んでいることと同じように認めてくれる。アメリカでは、そうはいかないわ……。同じ年代のコーチをアメリカとロシアで比較したら、ロシアのコーチの方がより深いスケートのバックグラウンドと知識を持っているの。でも近いうちに、アメリカのコーチも追いつくと思う! 私たちには経験が必要なだけ。ロシアのコーチもアメリカのコーチも、今はいい関係でお互い学びあっているしね。

――そんなコーチとともに、今シーズンはどんな目標を立て、どんなスケートを私たちに見せてくれますか?
ベン 僕たちの今シーズンの目標は、とにかく練習をして今できることはすべてやる、ということ。そしてシーズンに入ったら、自分たちの「新しいスタイル」を見せるってことかな。とにかく、変わりたいんだよ! ファンだって僕たちの新しい姿を待っているはずだからね。今年はまったく新しいスケート、まったく新しいスタイル、そして大きな自信を見せたい。そのために、やることがほんとうに山積みだけれど……でも僕たちも楽しみだし、やれる自信はあるんだ。

タニス これはプラスにもマイナスにもなる要素だけれど……私たち、もう10年も一緒に滑っているの。シニアに上がってからはもう、7年かな。だからたくさんの経験をしているし、ダンサーとして成熟もしているけれど、新鮮味がないの。新しく出てきた若いカップルたちには、それがあるでしょう? だから私たちも、今まで誰も見たことのない新鮮なカップルになる、そのための方法を見つけなきゃ、と思った。そのためにコーチを移ったし、そのための準備を今、しているところ。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima&Miki Sakagami


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2008 ジュニアスケーター・オブ・ザ・イヤー  推薦コメント 

Akioaward 1位 ミライ・ナガス(女子シングル アメリカ)  265ポイント
「バンクーバーで真央ちゃんの最大のライバルになるのは間違いなくこの子」
「美しいスケーティングには定評があったが、ジャンプには不安要素が多かった。全米ではそれを克服し、見事優勝できた」
「14歳での全米チャンピオンは凄い!来シーズンからのシニア参戦、とっても楽しみです!」
「ジャンプ力、柔軟性、表現。どの点をとってもすばらしい。昨季は入っていなかった3-3にチャレンジしている点も高評価」
「あるアイスショーで、ジャンプ後に転倒しましたが、それすらおどけて見せて楽しませてくれました。アッパレ!」

2位 佐々木彰生(男子シングル 武相高校)  46ポイント
「ジュニアグランプリシリーズレイクプラシッドのSPで初めて彼を観て、一瞬にしてその魅力的な演技に心を奪われました」
「数年前から見ていますが、やっと開花して世界ジュニアにも出場し、ショーでは他の選手と異なる趣で楽しませてくれました。トリプルルッツのアウトエッジが特に素敵です 」
「今年の東日本選手権で初めて見た時に、こんなに滑るのが綺麗な子がいるんだ~とびっくりした。魅せることが上手だし、これからが楽しみ」
「メダリストオンアイスの放送で初めて見て一発で大ファンに(笑)。スピード感といい踊りのうまさといいジャンプの高さといい、見ていて爽快。パワーをもらえます。うまいだけなら他にもいるけれど、これだけ人をひきつけられる人は他にいないと思います。ジャンプを揃えて、上に行ってほしい!!」

3位 レイチェル・フラット(女子シングル アメリカ) 42ポイント
「綺麗なジャンプとフリーでの安定感が光っていた気がします。これからもっと個性が出てくるだろうという期待も込めて」
「全試合を観ていないが、パワーがありながらアメリカらしい綺麗な姿勢の選手だと思う。成績が上がり下がりしないのも長所。トリプルアクセルを長洲選手よりも早く身につけるかもしれない」
「世界ジュニア女王に輝いた。未来選手より脅威だと思う」

4位 水津瑠美(女子シングル 駒場学園高校)  35ポイント
「傑出したダンスを持っている」
「昨年からずっと期待しているのですが、今シーズンの全日本選手権フリーで最終滑走グループに残れたことでますます期待しています!!」
「ジュニアとは思えない大人びた雰囲気とスケートで一気にファンになりました」

5位 アダム・リッポン(男子シングル アメリカ) 26ポイント
「モロゾフコーチのもと、格段に垢抜け、ソチ五輪での活躍を最も期待出来る存在となった」
「ジュニア世界チャンピオン。日本のアイスショーにも来てくれて、繊細な演技にとても感動しました」

6位 西野友毬(女子シングル 日本橋女学館) 12ポイント
「ジュニアグランプリファイナル3位で、将来性豊か」
「初出場のジュニアグランプリシリーズで.2連勝、ファイナルでも3位になるなどめざましい活躍をみせたので」

 ジュニアへの投票数は毎年それほど多くありませんが、やはり参加してくださるのはかなりのフィギュアスケートファンの皆さん。今年も全日本ジュニア、ジュニアグランプリファイナル、全中、インターハイ、世界ジュニアなどなど、ジュニアの活躍の場は続きます。次々登場する新星たちのおかげで、来年のジュニア・スケーター・オブ・ザ・イヤーの結果も今から楽しみ。若い彼らへの引き続きの応援をよろしくお願いいたします。

photo/Sunao Noto *写真は08年6月、ドリームオンアイスでの佐々木彰生選手


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アイスダンス・イギリス代表 シニード・カー&ジョン・カー組インタビュー(2)[アイスダンス特集vol.2]

Kerenhk ――今年はどんなふたりの「絆」が見られるか、とても楽しみ。シーズンの始まり、ファンが注目するのはグランプリシリーズですね。
シニード 今シーズンのグランプリシリーズはスケートアメリカとフランスね。もしファイナルにいけたら、夢のようだわ。コーチからはどちらの試合もトップ3に入ることを目標に、って言われてるんだけれど。

――スケートアメリカは3回目のチャレンジ、フランスには初めての出場ですね。どちらが楽しみ?
ジョン そうだな、どちらかといえば……日本がいいな(笑)!
シニード そうよね、NHK杯だったら最高だったのに。日本の運営組織はしっかりしてるし、人々は素晴らしいし。来年は来られたらいいな。でもまあ、パリも悪くないわね。スコットランドからも近いから、家族が見に来てくれたらうれしい。
ジョン NHK杯に出られないのは残念だけれど、スケートアメリカもフランスも、人気がある試合。ここでメダルをとってファイナルに進めたら僕達にとってすばらしい前進だよね。この目標を達成できたらいいな、と願ってるよ。

――ファイナルは韓国。日本のファンもたくさん見に行くと思います。ところでジョンは今回、ちょっと変わった相手とのダンスを見せてくれましたね。日本の小塚崇彦選手!
ジョン そう! 彼とのダンスは楽しかったよ。でもこのあともう少し、ふたりで練習するんだ。残りのショーはもっといいものにするからね(取材は初日第一公演終了後)。もちろん男の子とカップルを組むのは初めてだよ(笑)。振付師さんに“俺達フィギュアスケーター”から得たアイデアで滑るって聞いたとき、これは楽しくなるなあ、とまず思った。でもスロージャンプは、僕が投げられる役じゃなくてよかったな。僕だったら投げられても、どうしていいかわからないもん(笑)。

――見ごたえたっぷりの「俺達フィギュアスケーター」でした。練習時間も短いなか、リフトまであって大変だったのでは?
ジョン 全然平気だよ! 僕達のパフォーマンスでお客さんが喜んでくれたみたいだし、僕達もうれしい。それですべてOK! タカヒコはそんなに背が高くないから、一緒に滑るのにちょうどいいし、滑りやすかった。試合では男同士で滑ることはできないけれど、こうしてたまに、ショーで滑るのはいいね。でもふたりがあまり真剣になって、熱くなりすぎたら困るけどね!
シニード ずいぶん楽しそうね。どうやら私はパートナーをとられちゃったみたい(笑)。

 彼らのダンスそのままに、底抜けに明るいキャラクターのシニード&ジョン。ペアやアイスダンスの選手へのインタビューの場合、男女のどちらかが率先して応え、片方は促されてやっと話をしてくれる、というふたりが多い。しかし彼らふたりは、一つの質問に二人で競うように答えてくれたのが面白かった。きょうだいということで体型も似ているが、性格もまた、よく似ているようだ。
 今シーズンはすでにシーズン序盤のフィンランディアトロフィーで優勝! 初のファイナルを狙うグランプリシリーズに向けても、準備万端というところだろうか。
 アイスダンス特集では、彼らのコーチ、エフゲニー・プラトフのインタビューもお届け予定。

photo/Sunao Noto   text/Hirono Aoshima 
*写真は07年NHK杯でのフリーダンス


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