2008年10月15日

本日、フィリーズがナ・リーグで優勝し、ワールドシリーズ進出を決めました。
応援してくださった皆様に、心から御礼申し上げます。
僕は現在、ＬＡでの祝勝会を終え、レッドアイ（夜間飛行）で
フィラデルフィアに戻るチャーター機の中です。

７年のアメリカ野球で、３度目のワールドシリーズ出場。
これを幸運と言わずして、なんと言うでしょう。
１００年以上の歴史を持つチームでも、過去のワールドチャンピオンは一度だけ。
ナリーグの優勝も、１５年ぶり６度目、ですから、
そこに居合わせたことは、光栄なことです。
しかし、個人的な感情は、ビタースイート、というか、甘辛い、というか、そんな感じ。
俺はここに、どんな顔しておったらええんやろか、という気持ちも正直あるのです。

日本の友人の子供たちは小学生で、勝ち進むたびにシャンパンファイトで濡れている
僕をニュースで見て、
「そうさんって頭いつもびしょびしょにしてるね」「面白いね！」と笑っているそうです。
活躍している映像がないだけに、野球を知らないその子供たちにとっては、
僕は、野球選手というより、お祝いになるともれなく出てくるおじさんなのです。

しかし、プレーオフに出るためには、２５人の枠に入らなければいけません。
ロースターに入れず涙を呑んだ選手もいるのです。
それを思えば、自分の成績云々ではなく、ここにいさせてもらえることを、誇るべきだと
今は思うことにします。理由なく置いてもらってるわけじゃない。
選ばれて、ここにいるのだと。
いいですよね？

僕は、
「何もしないのに、たまたま強いチームにいてラッキーなやつ」
と思われるのを、つらく感じているのです。
でも、今は思われてもいい。
その強いチームの、２５人の中にい続けるということの難しさを、
わかってくれる人がわかってくれればそれでいい。
運も実力のうちや、と笑っていたい。

ここ５年で、３度もワールドシリーズに出場するのは、
ナリーグでは僕だけだとか?
もしそうなら、これも応援してくださる皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。

しかし、うちの寛は４歳にして、３度目のワールドシリーズ。
こっちのほうがよっぽどすごいんやけど、
本人はそのすごさを知る由もなく、今頃熟睡しているでしょう。

フィラデルフィアには朝８時ごろ到着予定。
朝食の味噌汁で乾杯させてもらいます。

カリフォルニア州ロサンゼルスにて　田口壮　

田口選手宛のファンレターはこちらまで　letter@taguchiso.com