【シリコンバレー=村山恵一】米金融危機による世界経済の混乱を受け、米IT(情報技術)企業の業績悪化が目立ち始めた。半導体大手テキサス・インスツルメンツ(TI)が20日発表した7―9月期決算は、純利益が5億6300万ドルと前年同期比27%減少。高機能コンピューターのサン・マイクロシステムズは同日、7―9月期に赤字に転落するとの見通しを示した。好業績を保つ企業もあるが、堅調に推移してきたIT景気の変調が鮮明になってきた。
TIの売上高は8%減の33億8700万ドル、1株利益は0.43ドル(前年同期は0.54ドル)。主力の携帯電話機向け半導体部門の収入が16%減ったのが響く。減収減益の決算は2四半期連続。受注減などで10―12月期も14―20%の減収を予想する。
リッチ・テンプルトン最高経営責任者(CEO)は「経済情勢が不確かになり、個人も企業も支出を減らしている」と指摘。携帯向け部門の一部売却などリストラを進め、年2億ドル以上の経費削減をめざす。
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